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深圳在外研究メモ No.43 電子製品製造受託のJENESISでインターンしてみた編~緊張感がないと日本市場向けのモノは作れない

 201712252627,日,29日の4日間、日本向け電子製品の製造受託をしているJENESISの工場でインターンをする機会を得ました。生産ラインに入れていただき、限られた時間ではありましたが、現場の雰囲気と作業を体験できました。JENESISの藤岡さんには深くお礼を申し上げます。一緒に体験した茂田さん、美谷さん、Minakoさんにも感謝です。別日程にて体験された高須さんの記事(おそらく年明けに公開、そしたらリンクします)も面白い観点でまとめられているので、そちらもチェックしてほしいと思います。

追記:藤岡さんは、ご著書『ハードウェアのシリコンバレー深圳に学ぶ』に創業からの経緯を詳しく書かれています。ぜひご一読をお薦めします。

 以下ではJENESISインターンの体験記をメモとして残しておきたいと思います。

 

まずは朝礼から

 朝、作業場に入る前の更衣室(靴を履き替え、作業着を羽織る)までは、生産ラインの作業員たち(全員女性)はそこそこしゃべりながら待機している。しかし始業時間を告げる音楽(「エリーゼのために」)が鳴ると、静まり返り、生産ラインにつながるドアが開く。これ以降は作業員による無駄な私語は禁止のようだ。生産ラインの人数は、インターン3人を除いて2829名だ。

 まず朝礼が行われる。短くて3分、長ければ15分くらいだ。朝の体操はない。生産ラインの組長、そして一番上の劉経理が順番に話をする。話をする内容は基本的には3点程度。まず品質管理上の注意が行われる。特に日本輸出製品のため、いかに不良コストがかかってしまうかが連日指摘される。次に、当日の作業の内容がその場で通知される。「今日の生産は○○だ(ロボット名)。モジュールを組み立てる」とか、「今日は739(タブレット型PCの型番)をやる」とか「HA-002を作る」などと指示される。その場になるまで、作業者はその日に何をするか、わからない。また、ある工程の作業が終了した後、次に何をするかもおそらくトップの2人が管理しており、個別の作業員はその場その場で対応してゆく。

 朝礼での品質管理の注意は、例えば、「○○○(コミュニケーションロボットの名前)では、3つの検査が必須だ。まずは「自検」、だ。これは作業したら、自分自身でその作業が問題なく遂行されたか検査することだ。次に「互検」だ。これは生産ラインの次の工程(中国語で工位)の人が、前の人の作業をチェックする。そして最後に「専検」。これはラインとは別に専門の検査員が検査する。これを徹底する。」などだ。この言葉の意味を自分たちは後で垣間見ることになる。あるいは「色々皆には教えているが、わからなかったらわからないと言ってくれ。わかったといって、間違えられるのが一番困る」など、だいたい前日に発生した状況をもとに注意がされる。

 

過度の集中でも、注意散漫でもないライン

 生産ラインのうえでは、実際には小声での会話がたまにされるが、基本的に、彼女たちは黙々と作業を進める。過度に集中しているようでもないが、注意散漫でもない。生産ラインは二部屋だが、主に手前の一部屋で生産作業が進み、奥の部屋は包装用に使われている。ライン組長と経理が頻繁に巡回しながら、工程のチェック、次の工程の準備、部品納入状況のチェック、作業員の出勤状況の管理、試作された製品の問題点のチェックなどを忙しくこなしている。

 私が体験した工程は当然、かなり簡単な作業であったが、通常の作業員は次のような工程をこなしていた。61ラインでコミュニケーションロボットモジュールの組み立て、41ラインでコミュニケーションロボット・ディスプレイのはんだづけ、10名1ラインでタブレットの組み立て、などだ。当該作業が終わると速やかに段取り替えが行われる。段取り替えを仕切るのはトップの二人。基本的にこの2人がラインの作業者に対して仕事を割り付けており、ほぼすべての工程を把握していると思われる。当然、どのやり方がOKで、どのやり方がNGかを知っているわけだが、どう作業するとうまくいくかのコツ(例えば「フィルムを張る時に、中指で製品の真ん中に貼るといいぞ」)まで知っていて教えてくれる。

 

ケーブルがクリスマスツリーに見えてくる

 特に長時間した作業は、ロボット内部の各種ケーブルの所定の箇所に、油性マジックで線を引いてマーキングする作業だ。正直なぜこの作業が必要なのかはその時点でわからなかった。ただ、完成ロボット内部は相当な数のケーブルで接続されており、このマーキングがないと、組み立ての際に困るのだろうと思った。いろんなケーブルがあるわけだが、あるケーブルは、白、赤、黒、緑、という色の4本が接合しているもので、これと半日くらい格闘していると、だんだん「クリスマスツリー」に見えてきたり、アラブ首長国連邦の国旗に見えてきたりして、なかなか面白い体験をした。振り返ってみると、ケーブルのなかに明らかな不良というは一本もなかった。

 

10分間の休憩はあっという間、「エリーゼのために」で仕事モードへ

 作業時間の終了を告げるベルが鳴ると、彼女たちは13秒程度で作業をやめる。通常の休憩時間は10分。一気に30名が部屋をでると更衣室が混雑するので、2組に分かれて、1組目が完全にでたら、二組目が更衣室にはいる。更衣室出口には、金属探知機をもった作業員がおり、部品などの流出がないかをチェックしている。トイレに行って、水筒のお茶を飲んだら34分は経過しているので、一息つくのは6分程度だろう。ちょっとスマホをいじってみたり、椅子に座って、少ししゃべったりして、静かに休む。休憩時間の89分目には基本的には更衣室に戻り、作業開始時間をつげる「エリーゼのために」が鳴るのを待つ。「エリーゼのために」が流れ始めると途端に彼女たちは仕事モードに入るのだ。

 

待ちに待った昼食。スープがうまい。しかし彼女たちは相当な早食いだ

 昼食休憩は60分。彼女たちがご飯を食べるスピードははやく、12:30から休憩が始まると、12:45には食べ終わる。12:50には食べているのは自分たちだけ、のような状況になる。列に僕らが先にならんで、食べ始めて、後ろの女の子たちが先に食べ終わる。13:28くらいには、生産ラインの一つ手前の靴箱がある更衣室に戻って待機するため、43分ほどは自由に過ごせる。比較的多いと思われるのは、食堂のわきにある、ソファーに座り、すこしおしゃべりをし、あるいは昼寝をするパターンだ。または外の空気を吸いにでる人もいる。自分たちは、外の空気にふれ、コーヒーを一杯飲んでいた。

 昼食は1か月の献立表が、食堂の隅に貼られている。基本的な構成は、ごはん、スープ、3つのおかず、という組み合わせだ。ある日の例でいうと、ごはん、スープ、トマト卵炒め、豚足煮込み、キュウリのピリ辛炒め、だった。担当のおばちゃんがいて、どうも田舎から来たようで、ずいぶんなまった中国語で話しているが、彼女は生産ラインの女の子たちから結構好かれているみたいだ。深圳大学の学食との比較で言うと、味としては互角以上だと思う。おいしい。気のせいか愛情を感じる味だ。特にスープの味がよい。中華料理で中国人にとって一番大事なのは、温かいことと、もう一つはスープがあることだ。スープの無いごはんは、格が落ちる。ちゃんとこの二つを満たしている。少し塩味が強めだと感じるが、このくらい効いていたほうがいいのだろう。ホワイトカラーの人たちは、どうも先に食べているようだ。ただ、一緒に食べる人もいる。生産ラインもホワイトカラーも同じ場所で、同じご飯を食べている。藤岡さんもだ。藤岡さんが食べなくなると、もしかしたらおばちゃんは手を抜くのかもしれない。

 

「え~~~コーヒーって苦いの?!」

 自分はもともと、ほぼ毎日コーヒーを飲むので、3日目に瓶入りのインスタントコーヒーの粉を食堂の水筒置き場にもっていって飲み始めた。ラインの女の子たちが見つけて、「これコーヒー?」と聞かれたので、「そうだよ、飲んでいいよ」といって、粉を分けてあげたが、「うわ~~~!にが~~い!」と言われて、たぶんあげた二人とも飲み切っていなかった。中国では普通、コーヒーというとネスレの砂糖とミルクが混ざった粉末をお湯で溶かしたものを意味するので、甘い。砂糖と粉乳なしの、ブラックコーヒーをどうも彼女たちは初めて飲んだみたいだった。ちょっとしたカルチャーのすれ違いを体験したわけだが、でもこれもこれで、お互いにちょっと笑える体験だった。「え~、コーヒーって苦いの~~~!?」。

 午後はちょっと眠くなるが、重労働というわけでもないので、基本は大丈夫であった。自分は午後にだいたい、若干糖分が足りなくなるので、スニッカーズをひとかけらくらいたべれば大丈夫だった。

 

休憩時間は休む、ごく当たり前のことだ

 食事の最中、そして休憩中に彼女たちと話そうとするが、結構難しい。まず自分自身が作業でそこそこ疲れているので、ついつい休みたくなってしまう。それに彼女たちもそうだ。更衣室より奥には、スマホを持ち込み不可なので、彼女たちも休憩時間でスマホでメッセージを送りたいし、ちょっとニュースサイトとか読んだりしたくなるわけだ。自分はこれまで研究者というホワイトカラーな仕事をしてきたので、昼休みはむしろ体を動かしたくなるわけだが、午前中にラインで少なくとも腕を200分動かしっぱなしにした後には、むしろあまり動きたくはならなかった。

 作業していて思ったのは、彼女たちのテンションが一番高くなるのは、午後15:40~15:50の休憩だろうということだ。その時間帯の彼女たちは、あと130分でおわるという感じで、ちょっとだけ高揚しているし、自分もそうだった。その高揚感に乗って、写真を撮らせてもらったりした。ピースしてくれている子もいる。もちろん、その後残業している人も多いとは思うが、18時で終わりにする人も少なくない。劉経理から、「今日は残業はするかい?(残業してほしいっぽいニュアンス)」で聞かれるが、正直ちょっと風邪気味だったので、残業する体力はなかった。通常勤務は9時から18時まで、作業時間は100+100+130+130、合計460分(7時間40分)で、当然ながら決して楽というわけでもない。普通のホワイトカラーの仕事の場合、ちょっと携帯を見たり、実は休めることもあるが、それも無くなるので、やはり生産ラインでの仕事というのは楽ではない。

 

緊張感がないと、日本市場向けのモノは作れない

 特にJENESISの製品は日本市場向け、あれだけうるさい消費者に不満をもたせないものをつくるためには、緊張感ある環境での作業が求められる。ゆったりした、和気あいあいの生産ラインからは、日本市場向けの製品は製造不可能だ。現場で加工しているのは、作業場の彼女たちだ。彼女たちが手を抜けば、その瞬間に不良が流れてしまう。当然検品をするわけだが、生産ラインで実際に作業をしていると、劉経理が醸し出すピリピリした緊張感が、品質管理の上での肝なのだろうと感じた。彼はJENESISにきて3年目らしいが、見ている限りでは、ずいぶん様々な仕事をしている。生産ラインの主、という感じだ。生産ラインで何をやるか、30人の作業者をどう割って、どのタスクを割り振るか、瞬時に判断していく。脳内にやるべきタスク票と、そのために必要なリソース(作業員、原材料、および作業時間)、納品期日などのデータが入っている感じだ。私の想像では、彼は夜に残って、何をやらねばならないか、何が必要か、確認していると思う。

 

四色の作業着

 生産ラインには四色の作業着を着た人たちがいる。

 第一が、赤、というかピンク色の作業着。比較的長い時間この工場にいる熟練工だ。ある1995年生まれの女の子は通常のラインには属さず、単独でタブレットの修理を担当していた。彼女はJENESISの工場にきて2年経ったそうだ。

 第二のカテゴリーが、青、というか薄めの空色の作業着を着た人で、臨時工、と呼ばれている。ある二人組に声をかけて「いつから来ているの?」と聞いたら、「もう結構長いわね、1か月くらいかしら」と言われた。たぶんあの二人は、故郷は別だけど、寮の同じ部屋で過ごしていて、お互いには心を開いているようだった。昼食も一緒に食べていていた。臨時工の中に、一人ものすごく物静かな子がいて、すこしおびえたような感じで僕らを見ていた。「春節明けにはまた戻ってくるの?」と聞いてみたら、「深圳には戻ってこないわ。故郷の海南で過ごす」と答えられた。「海南かー、いいところだね」と返した。

 第三は黄色の作業着だ。これは検品専属の従業員が着ており、より経験を積んでいるようだった。

 そして第四は白い作業着だ。劉経理はこれを着ているし、藤岡さんも白だ。主にホワイトカラーや試作などを行っている人が生産ラインに入るときに着る作業着で、このほかにも顧客やソリューションハウス(方案公司)の人もこれを着ている。ごく少数しか着ておらず、インターンとして自分たちが着たのもこの白だった。インターンは、本当は赤を着るべきなのかもしれない。

 一人一人、それぞれの理由や条件の中で、この街に、そしてこの工場に来ているのだ。この工場では赤い作業着の熟練工の方が多い。だから、結構な長期間、みんな一緒に過ごしていることになる。午後の休憩時間はとくにきゃぴきゃぴしていて、普通に生活を楽しんでいる感じでもある。

 藤岡さんは、著書『ハードウェアのシリコンバレー深圳に学ぶ』の中で、結構胸にくる言葉をいくつか書いている。なかでも重いのは、ある「もうすぐ夜逃げする工場」を昼間に見に行ったときのエピソードだ。社長はすでに夜逃げをすることを決めているが、表にはまだ出しておらず、従業員もまだ普通に作業をしている。しかし、すでに何か月か給料を滞納している。「春節前にまとめて出すから」とだまして、春節直前に、突然夜逃げするのだ。その時藤岡さんは黙々と作業をする従業員を見て、複雑な気持ちになったことを記している。藤岡さん自身、工場のラインでの作業からキャリアを始めた人だから、そのあたりには文字ではなかなか表現できない同感とか同情があるのだと思う。

 

劉経理は忙しい

 劉経理は、ほぼひっきりなしに、比較的大声で指示を出し続けている。テンションは高いし、ともかく社内から、社外から電話がひっきりなしにかかってきていて、指示を出したり、交渉したりしている。その内容は深圳のサプライチェーンの実態を理解するのに最適なものだった。例えば「おい、おまえ、今日はなんで出勤していないんだ、困るぞ」とか、「これじゃ臨時工がたりない、午後から人を増やそう」とか、「お前のところ(派遣会社)からきたあいつ、今日来ていないのはもういいんだけど、寮の鍵持って行ったままなんだよ。それはないだろう。来ないのはいいけど、鍵はどうにかしてくれってあいつに連絡してくれよ」とか、「お前のところの部品が届いていないぞ」とか、「○○番のねじがない。試作のときとは違う番号のねじが必要だ。至急用意してくれ」とか、「ラインの機械が1台壊れた。担当者に連絡して呼んでくれ」とか、ともかく色々だ。モグラたたきのようにボコボコ発生する小さい問題を、その場その場で瞬時に叩いて解消していく。

 作業ラインの部屋の隅に劉経理の机がある。その机には、作業指示書や、作業員が行った工程について書く作業報告書などが置いてある。座っている時間はほとんどない。小さな小さな席だが、工場ライン部屋のなかで、個人に割り当てられている机は2つだけ。経理の机と組長の机はそれだけ特別だ。小さな机だけれども、生産ラインをまとめる彼らのみが座れる特別な席だ。

 

「ここはゆっくりやっていい」

 1-3日目に担当した工程のなかで、重要な作業となったのが、電池に防火フィルムと衝撃吸収クッションを張り付ける作業だ。3人で3つの役割を分担し、作業に取り組んだ。劉経理からは、「電池はとても重要なパーツなので、持つとき、置くときに慎重に扱うように」と重ねて注意を受けた。もしも床に落としたら、その時点で問題なくても、あとで問題がでるかもしれないから、落とした時点でその電池は「NG」(不良品扱い)だ。

 とても驚いたし、勉強になったのは次のやり取りだ。3つの工程のうち、FutuRocketの美谷さんが担当した2つ目の工程は特に慎重な作業が必要な工程だった。高価な防火フィルムをシートから慎重にはがし、机に置いて、所定の位置に電池を置いて、さらに密閉しなければならない。時間も他の2人の作業に比べてかかる。3人で並ぶと、ラインの流れをひっぱらないように、ついつい急ぎたくなる工程だ。しかし劉経理は、「この工程はとても大事で、しかもやり直しがきかず、防火フィルムは高価だ。だからゆっくりやっていい」と言ったのだ。それを伝えられた美谷さんは、「ああ、なんかそう言われると安心するなぁ」と言っていた。

 1000台という小ロット生産であれば、多少は生産ラインの担当者間での時間的ムラや、わずかな工程間の待機が発生しても、それを完全に平準化できる手段はなかなかない。もちろん熟練工なら、別の作業を指導して、ちょっと貯めてから一気に取り掛かるとかも可能だ。このあたりの事例は、高須さんが別の日程で体験した際にまさに目撃している。しかしこのようなことは、臨時工には無理だ。ではどうするか。迷わずにJENESISにとって最も大事な「1000台を日本市場に十分な品質で作り上げる」という目標を優先するのだ。

 

タブレット端末の製造ラインを体験

 4日目、コミュニケーションロボットの電池のパッケージングに加えて、タブレット端末の組み立ても体験できた。自分が体験したのは16人ラインの1番最初の工程だったプラスチックケースに、ディスプレイをはめる、という作業だ。簡単そうに見えたが、左側に3つのツメが、右側にも3つのツメがあり、うまい角度でディスプレイを押し入れなければ入らない。なおかつ、ディスプレイの保護フィルムをはがすためのテープが、プラスチック枠の表側に出ていなければならない。当然ディスプレイは、プラスチック枠の裏側からはめるので、その保護フィルムテープを指でうまく枠の表側に出しながら、なおかつツメにはめなければならない。無理に入れようとすると、ケースのツメが破損するか、ディスプレイを傷つけてしまう。見た目以上に難易度があり、今回体験した中では一番難しいと感じた作業だったし、生きたラインの中に入ると、それだけでも結構な緊張感だった。

 自分だけがこの工程を担当すると、最初は物の流れが遅くなってしまうため、3番目の工程の担当の女の子が、頃合いを見て手伝ってくれた。青色の作業着、つまり臨時工だ。聞いてみると広西省から来ていて、春節前までの契約で来ているそうだ。何日くらいこの工場にいるのか聞いてみると、「今日で20数日目かな」。エレクトロニクスの工場で働いてきたようで、ずいぶん手馴れているように見えた。春節の後には、彼女はまたどこか別のところに行くようだ。

 

劉経理が静かになる時

 作業員のみんなはそんな劉経理に対して、若干の畏怖を感じているようだが、それがラインの緊張感をもたらしている。劉経理も、試作を担当する男性の従業員(正社員)には結構冗談を言って、和やかだが、ラインの女の子たちには基本笑顔は見せていない。彼なりの線引きをしているのだと思う。彼の口癖は、誰かが部品などを落として大きな音を出した時の「どうゆう状況だよ!?(什么情况!?)」だ。劉経理はキャラは管理者としてとてもキリリとしているが、正直もともとの顔つきは相当人が良さそうな人だ。彼が朝、845くらいにビルに到着した時の顔は、まだOFFで、けっこうヌケた顔をしているのを私は知っている。

 劉経理は基本ラインの部屋にいるので、ラインの部屋はいつも賑やかだ。彼は本気で怒っているわけではないが、常に駄目だしをするか、交渉するか、指示をするか、ということをしているので、普通の日本人から見たらずっと怒っているように見えるかもしれない。彼が静かになるのは、藤岡さんがラインに入って来た時だ。藤岡さんは1日に12回くらいラインに入ってくる。劉経理は藤岡さんをラオバン(老板)と呼んでいて、藤岡さんと話すときは若干穏やかになる。当の藤岡さんも、生産の細かな工程を、この部品は何か、なぜこの工程が必要になっているか、説明してくれた。当然、劉さんをはじめ、従業員とは中国語で話している。しかもがりがりのローカルな、そして生産工程ならではの会話をしている。

 

「このネジじゃないぞ!」

 JENESISのラインで深圳のサプライチェーンの意味を感じることがあった。

 二日目だったと思う。作業をしていると、いつにも増して向こうのラインにいる劉経理がにぎやかだ。聞き耳をたてると、「おい、ネジがちがうじゃないか!」。1000台のロボットを、30人で組み立てているわけだが、ある工程の、一つのネジの型番が違う。試作の時は、確かに今手元にあるネジで良かった。しかし量産工程に入る際に、若干の設計変更があったのだ。「いや、あの時はこれでよかったんだけど、今日はこれじゃだめなんだよ!おい、業者に連絡しろ!」と劉経理は電話越しで言っている。たぶん、JENESISホワイトカラーの誰かに電話越しに言う。製品のブラッシュアップはハードウェアスタートアップにとって必須だが、その過程で当然部品が変わるわけで、その対応は最終的には現場で解消されることになるのだ。

 それからも、がやがや、ああでもない、こうでもないと言いながらうろうろしている。1時間くらいすると、ライン部屋のドアが開いて、ネジが届く。「ネジが届きました」。1000本のネジ、たった一袋のネジだ。しかし、当たり前のことだが、ネジ一つないと、アセンブルができない。型番が異なるネジでは、止まらないし、無理にやれば筐体が損傷するからだ。ネジ1個を、調達できないと、生産ラインのうえにいる30人、いや一部だとして例えば6人とか、10人の作業がその分、止まってしまう。

 ネジが一個届かなければ、ロボットは永遠に完成しないのだ。

 もう一つ目撃したのは、ラインのうえの卓上機械が1台不具合を起こした時だ。この時も、その日の就業時間内に担当者が来て、調整をしていた。結局その場では修理は完了しなかったのだが、藤岡さんが時々言う、「1時間圏内に業者が揃っている」ことの意味を、ラインでも目撃することになった。

 

「ロボットが動かないぞ!」

 2日目まで、生産ラインはフルでロボットを組み立てていた。まだまだ初期の仕込みのような段階だが、部屋全体でロボットのいろんな部品を組んでいた。しかし3日目、現場に行ってみると、我々インターン3名が相変わらずロボット用のケーブルの仕込みをしている以外は、皆、タブレットPCを組み立てている。

 なぜロボットを組まないのか。部屋のあるラインに目を向けると、そこには完成ロボットが数台置いてあって、そのうちどうも3台が結構なトラブルを抱えている。2日目まで、ラインの大多数では部品の仕込みをしていたわけだが、あとで聞いてみると、同時に10台だけ、試しに完成まで組んでいたのだ。量産に入る直前、最後の最後の問題を洗い出す作業だ。一緒にインターンに入っていた茂田さんに状況を説明すると、この作業を「ためし量産」と命名していて、うまいこと言うなと思った。

 そして判明したことは、10台中7台は良品だが、3台は不良となったのだ。1台は、音が出ない。もう1台はファームウェアのアップデートができない。もう1台は別の問題を抱えている。重要部品についてはサプライヤーからの受け入れの時点で全数検品をしており、無論のこと、メインボードは全数検品だ。しかし組んでみると、メインボードに起因すると思われる、ファームウェアアップデート不能という事態が発生する。音が出ない問題も、ケーブルの接続を何通りか試してみるもののうまく解決しない。日本のロボットメーカーから出向してきている方もラインに張り付いての調整がはじまった。試作担当も含めて、終業時間以降も調整をしているようだった。

 

「いままで作ってきて一番難しかったもの?」

 4日目の昼食の際に、劉経理の横に座って、気になっていたことを聞いてみた。

伊藤「今日作っているタブレットの部品点数はいくつですか?」

劉経理「59(即答)。だいたいタブレット端末は40-70の間に収まる。だから、今日作っているタブレットは結構複雑な方だね。」

伊藤「へー。じゃあ、あの○○○(コミュニケーションロボットの名前)は部品点数いくつですか?」

劉経理「211(即答)」

伊藤「すごい数ですね。ところで今まで作ったものの中で一番難しいかった製品はなんですか?」

劉経理「そりゃあ○○○だよ!(いま作ってるロボットのこと)」

 どうも部品リスト(BoM)をそれこそきっちり読んで、把握しているようだった。ロボットは部品点数211を揃え、重要部品を検品し、なおかつ基本手作業で製造している。それはそれは複雑な課題になるのだ。ハードウェアスタートアップの製品とは、いまだに市場に無いものを意味するので、生産ラインにとっても未知の体験となっているのだ。

 製造現場の新たな挑戦が決着するところが見たい。また数日お世話になりそうだ。

(たぶんつづく…)

 

以下、基本情報および写真

就業時間

9:00-10:40 (100分作業)

10:40~10:50(10分休憩)

10:50~12:30(100分作業)

12:30~13:30 (昼食休憩)

13:30~15:40 (130分作業)

15:40~15:50 (10分休憩)

15:50~18:00 (130分作業)

残業の場合 18:30~切りのいいところまで(22:00には完全終業)

 

25日の作業(すべてコミュニケーションロボット)

1)19番ケーブルを、小さい基盤(センサーモジュール)に差す

2)18番ケーブルを、小さい基盤に差す

3)黒ケーブルの220mm箇所にマーキング

4)磁石が引っ掛けてある(ノイズ除け?)ケーブルの220mm箇所にマーキング

 

26日作業(すべてコミュニケーションロボット)

1)4番ケーブル、250㎜箇所にマーキング

2)01番ケーブル、190㎜箇所にマーキング

3)14番ケーブル、70mm箇所にマーキング

4)10番ケーブル、255mm箇所にマーキング

5)六本線のケーブル220mm箇所にマーキング

 

27日作業(すべてコミュニケーションロボット)

1)ケーブル、270㎜箇所にマーキング

2)250㎜箇所にマーキング

3)LANケーブルに線を引く

4)電池の加工

一人目:電池の3面にクッションシートを張る

二人目:防火フィルムで覆い、密閉する(防火フィルムを半分に折り、その真ん中に電池を起き、反対側も貼り付け、餃子のように密閉する)

三人目:前工程検査、クッションシート貼り付け、電線をプラスチックでとめる

 

29

1)電池の加工(27日と同じ)

2)タブレット型PCの製造ラインの臨時工担当部分を体験

3)別のタブレット型PCのディスプレイフィルムの両面テープをはがす

 

まずは朝礼。さっそくかなりの緊張感だ。話しているのが劉経理。

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生産ライン。ここが仕事場だ。

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丸二日半取り組んだ、ケーブルに線を引く作業。

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電池の工程。高価なものなので、緊張する。

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Futurocketの美谷さんと熟練プログラマーの茂田さんと一緒にインターン。

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更衣室。ここで始業時間がくるのを待つ。

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初日の昼食。ジャガイモ炒めの量がすごかった。そしてキノコ炒めもピリ辛でおいしい。左上のスープ、画面では全く伝わらないが、おいしかった。

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二日目の昼食。ナスが大好きなのでテンションが上がった。

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最後の日に体験した、タブレット端末の工程。ディスプレイをはめるのは見た目以上に難しかった。 IMG_20171229_154212.jpg

 

 

深圳在外研究メモ No.42 深圳湾ソフトウェアパークで感じる「社会実装先進都市」としての深圳~日々新しいサービスに囲まれて仕事をしていることが何かを意味するのかも…

このブログでもたびたび取り上げている深圳湾のソフトウェアパーク。ものすごい意識高い系でもあり、テンセント新本社ビルとかあり、しかもベンチャーキャピタルのビルとかもあるので、なんだか「新しい深圳」を代表しているように見える場所の一つだ。

この場所の雰囲気については、高須さんが記事に書いていて、様子がよくわかる。

2015年メイカーフェアー深圳の様子:街が丸ごと会場に!Makeで生きる「創客」たちの楽園~Maker Faire Shenzhen 2015レポ前編【連載:高須正和】

このエリアは、在外研究している深圳大学の寮から徒歩10分の距離で、なおかつブログでも言及しているMakerNetのKevinのオフィスがこのエリアのまさにVCビルの中のRocketspaceに引っ越したので、週に2回くらいは足を運んでいます。

そして貴重な経験になっているのが、MakerNetでのインターンというか、Kevinのお仕事のちょっとしたお手伝いです。ここでの経験については別途書くとして、このエントリーでは次のことを書きます。

 

1.「社会実装先進都市」としての深圳

深圳の新しいオフィスエリアでは、新しいサービスに囲まれており、ここで働く人たちはごく自然にそれを使っている、と言うことです。より具体的にいえばローンチされて1~2年のサービスがどんどん実装され、若くてテックに興味の強いエンジニア的人材が多いこともあり、積極的にサービスを利用しています。他のエリアでもこうしたことは見られると思うので、決して深圳特殊な現象とは思いませんが、無人バスの実験(また試験段階で、人は載せていない。高須さんの現地訪問ノート参照)、Huaweiの交通管理システム(スマートシティプロジェクトの一環)の導入無印良品が展開するMUJI HOTELの世界第一号店が深圳にオープン、等々新しいサービスの導入が試行錯誤されています。多少まだ現実よりも先走っている感じはありますが、私は「社会実装先進都市」という言葉を使ってみたいと思います。

これまでの深圳がサプライチェーンによって特徴づけられ、そして次のような研究開発側の拠点開設がリリースされてきたことはすでに注目を集めています。例えば、Appleの研究開発拠点ARMの合弁会社の深圳設立Airbusの研究開発の開設などなどです。これらの現象は、海外系の製造関連企業が、「製造の場」としてではなく、「研究開発の場」として深圳を見始めていることを意味しています。

サプライチェーン、つまり「製造都市としての深圳」の次に、「研究開発都市としての深圳」もとても重要なトレンドですし、その実態がどのような中身になるか、追いかけていくべきテーマです。

ただイノベーションとは「研究開発」や「科学技術」のみによって生じるのではなく、市場との対話のなかではぐぐまれるものでもあります。この意味で、中国で進むさまざまな新サービスの動向には注目が必要でしょう。

以下では深圳湾ソフトウェアパークで体験したことをメモしておきます。なお、中国では農村部でもEコマースを中心に、ウェブとの関連での新サービスの展開が進んでおり、淘宝村のような、Eコマースと村おこしがつながったような動きがすでに数年前から報告されています。決して、都市部だけで進んでいるわけではありませんが、以下では、いわゆる「かっこいいオフィスエリア」でどんなことが起きているか、を紹介したいと思います。

 

2.深圳湾ソフトウェアパークでのある午後に体験したこと

南山区深圳大学のすぐ南のエリア、「深圳湾ソフトウェアパーク」。深圳市の国有企業である深圳市投資控股集団の子会社である、深圳湾科技発展有限公司が開発を担うエリアです。この会社は近くで生態園の開発も進めており、南山ハイテク企業が集中するエリアの開発を一手に引き受ける、重要企業です。

そしてソフトウェアパークのなかのランドマークである、創投大夏。投資ファンドや資産運用会社が多数入居しています。

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国有企業が運営するだけあって、ディスプレイにも宣伝部系の広告がよく表示されています。「一九大党大会の精神を深く学び、青年イノベーション創業を紅く導こう」というスローガンが表示されています。ただ、あくまでも大家さんが国有で、中の個別企業は別です。特に中小のテック系企業はあまり国とか党とかあまり気にしていないというのが、日々話を聞いていて感じることです。

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ビルの前は、例によってシェアサイクルが並びます。これは主要都市ではよくあることでしょう。シェアサイクルが普及し始めて1年ほどですが、すでに勝負がつき、三番手のBluegogoが倒産したことで、黄色のOfoと、オレンジのMobileの二強体制となっています。IMG_20171228_121736.jpg

お昼どきのこのビルの前には、Uber Eatのような宅配サービスの配送員が多くいます。彼らがみんなエレベーターに乗るととても混雑することとセキュリティ上の理由から、彼らはビルのなかには入れません。アプリを通じて、電話で注文者の「届いたよ、ビルの下に受け取りに来て」と連絡するわけです。奥に見えるのがTencentの新本社ビルです。まだ稼働していません。ここが稼働すると更ににぎやかになるでしょう。

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このビルのワンフロアに、サンフランシスコから展開してきたコワーキングスペース、RocketSpace Shenzhenがあります。ここのキーパーソンたちはだいたいアメリカ帰りの中国人で、そのネットワークは広く、またとてもできる人たちが多い印象です。そしてこのコワーキングスペースには、この半年ほどで一気に全国に広まった、設置式の自動販売棚があります。仕組みとしては、基本は無料でオフィスに設置し、消費者は必要な商品を自分でRQコードを読んで支払います。つまり、正直、盗める、ということです。そのためそれほど高価なものは置いていませんが、かなり消費者側のモラルが試されるのは事実でしょう。防犯カメラはこの棚のためには設置されておらず、これ以外に冷蔵庫のなかにはドリンクもならびます。写真に写っている男性は業者の担当者で、在庫をチェックしていました。

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ビルの1階には当初なにも入っていなかったのですが、12月頭に「超級物種(Super Species)」がオープンしました。今年アリババが出資した盒馬鮮生という上海の生鮮スーパー兼飲食店の複合店が注目を集めました。私も夏に行きましたが、アプリ上での決済ができ、宅配も気軽に頼める利便性を感じました。そしてこの「超級物種(Super Species)」は、福建から出てきたイートインを強味にするスーパーと飲食の複合企業で、最近、テンセントが買収した企業です

(参考:【中国小売業界】スーパーマーケットチェーンのオムニチャネル化が急加速する理由)。

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アプリ上で注文すると30分で宅配可能。今度実際に寮に届くか、試してみようと思います。

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最近結構各都市で流行っているステーキ屋さん。グラムの計り売り形式。食べてみましたが、味はなかなか良かったです。

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お昼時の「超級物種」。テンセント新本社ビルのなかにもひょっとしたら何かできるかもしれませんが、本社すぐ近くにこうした店舗ができているのは面白い動きです。

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レストランの机の上には、卓上の充電端末。QRコードを読んで、お金を払って充電できます。すでに電子決済が進んでいるので、基本は、財布を持たずに外出することが増えています。スマホの電源が切れると何もできなくなる(地図がみれない、お金が払えない、連絡できないなどなど)ので、充電インフラは決定的に大事です。

 

3.「このくらいは中国のどこでもある」のかもしれないけど…

上記のようなサービスは、ほかの地域のサービスが流れてきているので、決して深圳特殊な現象ではないでしょう。ただ、この密度はなかなかのものだと感じます

例えば私は広州にもよく出張にいきます。シェアサイクルはあるし、宅配も当然あります。ただ、深圳のこのエリアにはテンセント本社があり、次世代スマホやドローンを開発する人がいて、ベンチャー投資家がいます。彼らがこの密度で新サービスを体験しながら、日々、次の事業を考えています。

開発者自身が、そして投資家自身が新サービスを日々感じることができている。このことが何を意味するのか、まだわかりません。ただ、単なる「研究開発都市」ではなく、「社会実装先進都市」でもあるような街が生まれてくると、開発者の発想の前提が変わってくるように思います。

深圳在外研究メモ No.41 メイカースペースSEGMAKER入居メンバーにじっくり話を聞いてみた編~画像認識スタートアップ易視智瞳科技の場合

在外研究メモNo.4で書いたように、深圳市の電気街華強北のランドマークビル、賽格広場にあるメイカースペースSEGMAKERにスペースを借りています。イベント開催や日常的な打ち合わせに使っているのですが、スペース内にはおよそ30社のスタートアップが入居しています。ロシア、ドイツ、ベラルーシ、香港、台湾といった大陸中国以外のプロジェクトもありますが、大部分は中国ローカルのスタートアップです。

なかでも一番大きなチームとして存在感があるのが、画像認識スタートアップの易視智瞳科技有限公司です。以前から知り合いになっていたのですが、共同創業者でCEOの黄さんに今回じっくり話を聞くことができたので、このエントリーではインタビュー形式で、同社を紹介したいと思います。


伊藤:今日は時間を取っていただいてありがとうございます、はじめに黄CEOの経歴を教えてください

黄CEO:私は1977年生まれの広州出身です。杭州の浙江大学で学部と修士を取ってから、香港中文大学(CUHK)の機械自動化専攻で博士号を取得しました。CUHKを2007年に卒業してからは香港政府が基礎研究の産業化のために設立した香港自動車部品研究センター(香港汽车零部件研发中心)でEV関係の研究プロジェクトに携わりました。2012年から2015年には中国安防集団に転職しました。その会社の本部は深圳で、香港と上海にも拠点があり、三か所を行き来する生活になりました。ただ、ずっと自分のプロジェクトで会社を興したい気持ちがあったため、2015年12月に現在の会社を創業しました。

伊藤:御社の事業はどのような内容ですか?

黄CEO:当社は「工業用ロボットのためのスマートな眼」を開発することを目指しています。現在の工業用ロボットはロボットアームが典型ですが、基本的には単なるセンサーで、事前に決められたことしかできません。機械学習を組み込んだ、生産ラインの自動化設備の開発はまだまだ可能性があります。当社は半導体製造メーカーやスマホメーカーに向けて、カスタマイズされ、スマートで、フレキシブルな自動化設備を開発製造し、納入しています。具体的にははんだ付け、糊付け、フレキシブル基盤への加工、ロボットアームの誘導、スマホカメラモジュールの取り付け、スマホメインボードの加工、指紋モジュールの設置、スマホ内側ケースの取り付けといった加工工程の自動化設備を開発しています。

伊藤:現在の事業規模、人材、納入先について教えてください。

黄CEO:現在拠点は香港と深圳にあり、基本的には深圳本社で開発製造販売をしています。合計28名の従業員がおり、うち22人が研究開発を行っており、ソフトウェアエンジニア、アルゴリズムエンジニア、ハードウェアエンジニア、このほかに製品のアフターサービスを行う技術サポートエンジニアがいます。もう一人の共同創業者の時CTOは、CUHKで画像認識の博士号を取得しており、技術的に言えば私がハード担当、彼がソフト担当という関係です。

今年の売り上げは約1000万元。顧客は中国の珠江デルタと長江デルタに集中しており、国外市場はやっていません。スマホ製造のサプライチェーンに顧客が集中していることと、国外市場を開拓するには言語や認証の面で手間がかかるため、国内市場に取り組んでいます。

伊藤:競合企業の状況や、それとの対比での御社の強みはどこにあるのでしょうか?

黄CEO:スマホ製造ラインの画像認識設備で言うと、Fast、オムロン、パナソニック、Cognex、NI Vision、Halconといった会社が競合になります。市場に参入できている理由は、当社の製品の性能はそれらの製品に比べても、優れた結果を出していることに加えて、ユーザーの要望に合わせたカスタマイズを行った設備を納入していることがあります。これらの大規模な設備メーカーの場合、細かな調整ができない場合が多く、その点で当社は、ハード、ソフト、そしてトータルソリューションの面での調整を行っています。

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易視智瞳科技有限公司の黄卜夫CEO。SEGMAKERのラボで納入機器の試験が進んでいます。

伊藤:現時点で直面している課題はありますか?

黄CEO:はい、あります。人材面です。北京、上海、深圳では創業ブームになっていることもあり、エンジニアを雇うコストは上がっています。さらに、適格なスキルを持った人材を探すのは難しいです。能力のある人ほど、自ら会社を創業したがるからです。起業するか、大企業で働くか、という選択です。したがって、当社のようなスタートアップ企業で、まだブランド力が弱い段階では、なかなか人材を取れません。現在のコアの人材は香港で研究していた時のつながりで、創業から一緒にやっている人たちです。自らのネットワークのなかで人を集めることがこの段階では有効でした。

伊藤:深圳市の創業環境についてどう思われますか?評価を伺いたいです。

黄CEO:深圳の創業環境はとても良いです。第一に、資本があります。多くの投資家と会うことができます。彼らがあなたを認めるかどうかはわかりませんが、ともかく投資家が沢山います。もう一つ重要なことは投資家のマインドが、とてもオープンで、またイノベーションに対して積極的なことです。他に地域にも投資家はいますが、マインドが違います。深圳の投資家は新しいものや、リスクのあるものにも積極的に投資をします。

第二に、人材です。この都市にはまだまだ他地域から若い人材が入ってきています。この人材のプールが重要です。

第三に、当社にとっては市場があります。すでに言及した通り、設備の自動化、とくに精密電子製品のサプライチェーンはここにあります。自動化の需要も旺盛です。

第四は、政府の態度と政策です。私は友人もいるので、北京、上海、そして国外とも事業環境を比較しました。結果として、現時点で、私は深圳市政府のイノベーションと創業への支援は世界一のレベルだと考えています。私自身も深圳市の人材誘致政策である孔雀政策の対象で補助をもらっています。これに加えて、オフィスの賃料面での補助や、技術面での補助金などが完備されています。当社の場合、VCから入った最初の資金は深圳創新投資からでしたが、二番目の投資はより政府系のファンドで、彼らはあるレベルの投資家が認めると、一定額をより良い条件で投資するというスキームを持っています。政府自体にはベンチャーを目利きする能力がないので、有力なVCが投資すると決定したところに相乗りする形です。このような方法は、始まったばかりで、あとから深圳市政府の役人が私のところにきて、「こんな方法でやりはじめているが、君は正直この方法は有効だと思うか?」とインタビューに来ました。フィードバックを得るためです。彼らも模索しているのです。私は「とても有効だ。ただ更に改善できるところはある」と答えました。

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SEGMAKERの一角は易視智瞳のエンジニアで埋まっています。熱心な開発の風景が日々見られます。

伊藤:非常に興味深い話ばかりです。今後の事業展開について教えていただけますか?

黄CEO:ちょうどいま、3回目の投資がほぼ決まったところです。金額的には数千万元です。これで当面の資金需要は問題ありません。更に上にレベル、別の段階の企業になりたいと考えています。そのために、実はこのメイカースペースからも引っ越しする予定です。

伊藤:そうだったのですが、ちょうどその直前でお話を聞けて良かったです。ぜひまた話を聞かせてください。

黄CEO:はい、新オフィスにもぜひいらしてください。


 

インタビューは上記のような内容でした。SEGMAKERにはより小型のプロジェクトが多いのですが、なかでも最も元気と思われる会社は、上記のような高学歴と、BtoBでのプロフェッショナルな設備の開発を手掛けています。このようなプロジェクトばかりではありませんが、深圳のメイカースペースには、例えばこのくらい元気な会社がある、そしてそこには若く能力ある企業家がいる、この点は否定できないでしょう。政府のサポートについても踏み込んだ話を聞けたので、今後さらに調べていこうと思っています。

最後になりましたが、長時間のインタビューにお付き合いいただいた黄CEO、ありがとうございました!百忙之中,感谢黄总接受我的采访!

 

深圳在外研究メモ No.40 番外編~ワシントン・カーネギー国際平和基金に出張

米国ワシントンのカーネギー国際平和基金(Carnegie Endowment for International Peace)にて、12月8日開催されたワークショップ“China Risk and China Opportunity for the U.S.-Japan Alliance”に日本側同行者として参加してきました。日本側からは神谷万丈先生、川島真先生、細谷雄一先生、森聡先生が報告者として登壇し、米国からは Michael D. Swaine,  Sheila Smith,  James L. Schoffが登壇しました。

論点は中国がもたらすリスクだけでなく、オポチュニティ(機会)をどのように統合的に理解するかという点で、外交、安全保障の面からの議論が中心になりました。私は経済の観点から現地でクローズドの研究会での報告をするにとどまりましたが、ワシントンのシンクタンクや政権関係者のなかでの対中認識の一端を感じることができました。単純化すれば経済面では中国経済の成長が米国と日本の企業に需要としての機会を提供すると同時に、安全保障上ではリスクとなりつつあると指摘できる一方で、政治経済が一体化しつつある政策動向を鑑みると、このような単純化した分断論では解決できない問題が生まれつつある、という認識はおおむけ共有できていたように感じました。森先生が発言されていた”Minimize risk, maximize opportunity”をどのように達成するかという論点提起も参加者の了解を得ていたように思います。興味深かったのは、ワシントンのアジア識者と呼ばれる論者の間にもトーンには大きな差があることで、米国の現政権自体が国際秩序にとってのリスクであるという趣旨の発言をする方もいました。また、ちょうど訪米した時期に、日本政府が一帯一路への積極的な関与方針を明確にしたことも、一部の論者からは高い関心を集めていました。

ワシントンを訪れるのは初めてだったので、時間を見つけて市内を歩けたのは貴重な経験となりました。ホワイトハウスの前では、太陽光発電業界のワーカーが抗議活動をしていましたが、ブラスバンドに先導されて、ある意味で楽しそうに抗議活動をしていたのが印象的でした。またホワイトハウスのすぐ西側には世界銀行、IMFの本部があり、また大規模な政府部門の建物を見て、米国の政治の中心としての位置づけを強く感じました。中国初のシェアサイクル、OfoとMobikeもワシントン中心部では見られ、実際にアプリで起動して乗ってみました。平日の市内の様子はあまり観察できませんでしたが、何人かシェアサイクルに乗っているひともいたので、利用者もそこそこいるようです。

中国の経済都市深圳に滞在している時期に、米国の政治都市ワシントンを訪問できたことで、とりわけそのギャップを強く感じた出張となりました。出張で得られたいくつかの知見は、今後、何らかの文章に盛り込んでいきたいと考えています。

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ホワイトハウスの前で抗議をするSolar Workerの人たち。楽しそうに抗議する姿が、米国の民主主義の懐の深さを感じさせました。同時に当時の声明で、トランプ大統領がエルサレムをイスラエル首都に指定するという言及があり、翌日以降にはより強烈はデモが起こっていたようでした。

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リンカーン記念堂の階段からワシントンモニュメントを見た眺め。手前にはキング牧師が著名な演説をした記念の表記があります。

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世界銀行に新しく設置されたWorld Bank Group Visitor Center.

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最近のレポートやグッズの販売コーナーもありました。

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世界銀行の設立からの主たるイベントや、近年の重点プロジェクトの説明がされていました。

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スミソニアン博物館の米国歴史館内にある、”Places of Invention”展.

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当然ながらシリコンバレーなどが取り上げられていたのですが、そのなかに、ブロンクスのHip Hop音楽の形成が、アメリカらしい文化の交流のなかで生まれたという展示は印象的でした。親のレコードとプレーヤーを使い、そこから再編という手段で新しいストリート音楽を作った過程をInventionとして展示しているわけです。

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ワシントンモニュメントのすぐ近く、Constitution Streetの一角にあったMobike.台数はそれほどでもありませんでしたが、とくに官庁街では数が多かったように思います。実際に乗ってみましたが、左ハンドルにベルが、右ハンドルにギアチェンジャーがあり、中国国内のMobikeとも異なる、多少はローカライズされた車種となっていました。

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連邦議会前までMobikeで移動して撮りました。

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国立美術館も少し見れましたが、ダビンチ、モネといった西欧美術よりも、個人的には写真にあるような米国の写実主義的油彩の迫力が魅力的でした。

深圳在外研究メモ No.39 11月後半はイベント尽くし編~Maker Faire派生イベント、David Liとお茶、Hightech-Faire, Huawei訪問…

11月はイベントが盛りだくさんでした。忘れないように主だったものを列挙しておくとだいたい下記のとおりでした。

1) 11/10-12 Maker Faire Shenzhen

2) 11/13 & 11/15  TakasuさんツアーおよびSeeedツアーの一環でSEGMAKERにてイベント

3) 11/16 久しぶりにSZOIL(Shenzhen Open Innovation Lab)のDavid Liに会いに行く

4) 11/17 東京大学松尾豊研究室、YodayodaのYuichiさんがSEGMAKERご来訪

5) 11/18-19 Shenzhen Hightech-Faireに参加

6) 11/21 香港にてBelt & Road Forum: Digital Belt & Road Opportunities Unleashedに参加

7) 11/21-23 慶應義塾大学駒形哲哉研究会来訪、Huawei、Jenesisなど訪問

8) 11/24 テクノセンターの年一回のBBQ大会参加

 

1)Maker Faireとその派生イベント

なんといっても11月11日に白石洲で、Takasuさんの声かけのもと開催されたミートアップは100人くらいは来ていて、歴史的なイベントになったと思います。この日の様子の一部始終はNaomi WuさんのYoutube360度動画としてアップロードされています。

圧倒的熱気があったわけですが、個人的には朝2時までAndrew Bunnie Huangさん(著名なエンジニアで、なおかつHardware HackerとかThe Essential Guide to Electronics in Shenzhenの著者)と話せたことは貴重でした。ずいぶん踏み込んだ話もしましたが、私が彼に「深圳経済を研究している」というと、彼ほど詳しい人が”I’m small”、「今の深圳経済をどう見ているか教えてくれ」というのには驚きました。深夜の白石洲で彼と南山の未来について語ったことは忘れないようにします。

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ミートアップの様子。お祭り騒ぎで、日本人だけでなく、ドイツ人も、中国人(Elecrowの人とか)も参加。

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ミートアップに来てくれたAndrew Bunnie Huangさん。

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Maker Faire公式ツアー落選者向けのTakasuさんのツアーで、Segmakerで講演会(11/13)。私もレクチャーしました。この日の様子はTakasuさんのブログにて動画込みで公開されています。参加者にシリコンバレーやマレーシアや中国やオランダからの参加者も含まれていたので、Takasuさんと私で基本英語で報告、質疑応答は場合によっては日本語でも対応。このスタイルがいいね、という話になりました。

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オランダからの参加者だったVictor Mazonさん。東方教会系のアートをPCBA基板上に描く端末の試作と量産をしに来ているとのことでした。最高の笑顔。

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11/15にはMaker Faireの公式ツアーでもSegmakerでワークショップ開催。インドとマレーシアから来た方がめちゃめちゃ質問してくれて大いに盛り上がりました。このツアーの様子はMaker Faire Shenzhenの記事にて言及されています。この日は別組でHIU(堀江貴文イノベーション大学)もSEGMAKERを来訪しました。

 

3)久しぶりにDavid Liと会う

DavidとはよくFacebook上で交流しているのですが、彼も出張が多く、会うのは数か月ぶりでした。彼にはMaker Movementについて、そして深圳経済の現状を議論しました。この日はいつにも増してテンションが高く、私が使っているPPTのスライドをいくつも批判してくれて、David節全開という感じでした。Davidの批判に感謝します。ポイントは以下でした。

①Maker Movementは第一段階が終わった。様々なプロジェクトが立ち上がったが、本当に社会的インパクトをもたらしたものは少ない。今後はそのプロジェクトが、どう社会を変えたのかが問われる。

②深圳経済の現状を担っているのは、いわゆるR&D型の企業ではなく、アフリカや途上国に格安スマホを提供しているような企業だ。彼らは十分儲かっていて、メディアにもでないし目立たないから注目されないが、実際にはDJIよりもずっと規模が大きい。

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茂田カツノリさんと一緒にDavidに会い行きました。じっくり話をするのは久しぶりでした。

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すでにプレスリリースがかかっていますが、Airbusが深センに研究拠点を開設するということで、この日はAirbusの人たちが20人くらいDavidからレクチャーを受けていました。

 

5) 11/18-19 Shenzhen Hightech-Faireに参加

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まあ巨大な展示会でした。会展中心全体を使い、なおかつ1階廊下にまで出展ブースがならぶ状況でした。おそらく年間を通しても最大級のイベントでしょう。

 

 

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リリースが予想されていた360度カメラ付きスマホ。

 

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下肢リハビリ用ロボットを開発しているMileBotのYeさん。

 

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ARグラスのプロトタイプをみせてくれたRobin Wu.

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ドローンも6月の展示会には出展していない会社まで出ていました。

ドローン関連では、ウェブメディア『ドローンジャーナル』の連載記事として「第4回 中国発の水中ドローンベンチャーが続々登場~「水中のDJI」は現れるのか?」を書きました。水中ドローンについてのまとまった記事は少ないのですが、この領域でも中国企業は台頭が進んでいます。

 

7) 11/21-23 慶應義塾大学駒形哲哉研究会来訪、Huawei、Jenesisなど訪問

私の出身ゼミでもある慶應義塾大学の駒形哲哉ゼミが深圳に来たのに合わせて、HuaweiやJenesisを訪問させていただきました。

Huaweiの本社を訪問するのは初めてでしたが、スマートシティに関する展示ルーム、そしてキャリアビジネス向けの展示ルーム、そして会議室での議論でした。ケニアでの長年の通信インフラ事業の蓄積のうえで、セーフシティのインフラ整備事業に進出したという解説は、泥臭い新興国での営業のうえに、最先端のスマートシティインフラの受注が成り立っているという興味深い話でした。

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Huaweiを訪問、Andrew Williamsonさんにご案内頂き、議論する機会を得ました。写真はスマートシティの中枢、政府部門が将来的にみることになるであろうリアルタイムの情報統括ステーション。交通渋滞、大規模イベント会場の状況などが瞬時に把握可能で、警察・消防に即時対応できることを強調していました。

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Huaweiの人材教育センター、Huawei University.

研究会の最後の訪問先となったJenesis. 繁忙期直前にも関わらずご対応いただいた藤岡さんに感謝いたします。藤岡さんは著書『ハードウェアのシリコンバレー深セン」に学ぶ−これからの製造のトレンドとエコシステム』を出版されており、華南と深圳の製造現場で直面した困難と挫折を紹介しています。

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サプライチェーンのリアルな事例、とくに同一スペックとされる部品にどのような違いがあり、どう使い分けるか、など毎回新たな学びがあり、勉強になります。

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Jenesisにて藤岡さんからレクチャーを受ける学生。

伊藤亜聖のページです

 中国に軸足を置きながら、アジア、そして新興国の経済を研究しています。ここにはメモのような雑文を書いていこうと思います。
 上の写真は中国広東省、深圳市の海上世界という場所です。昔は海だったようですが、いまでは埋め立てられて、ファッショナブルなショッピングモールやバーが並ぶ場所になっています。