報告書『中国14億人の社会実装―「軽いIoT」が創るデジタル社会』が刊行されました。

報告書『中国14億人の社会実装―「軽いIoT」が創るデジタル社会』が刊行されました。高口康太氏と共著ですが、澤田翔氏、茂田克格氏、藤岡淳一氏にもお力添えいただきました。ありがとうございました。

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下記URLよりダウンロードできます。

https://web.iss.u-tokyo.ac.jp/kyoten/research_series_no_19.pdf

https://web.iss.u-tokyo.ac.jp/kyoten/post-12.html

前書きをちょっとだけ引用しておきます。

「ネットワークとすべてがつながるとしたら、どのような新サービスが有効で、どのような社会的課題の解決が可能だろうか。このような IoT 領域におけるソリューションの選別を行ううえでは、試行錯誤が重要である。なぜならこの領域ではいまだに最適解が不明瞭であり、前例のない取り組みが求められるからだ。

IoT を巡る議論は多いものの、議論は技術論か未来社会論に二分されている。一方には第五世代移動通信システム(5G)や MEMS(Micro Electro Mechanical Systems、センサーやアクチュエータを集積したチップ)に代表される基礎技術の分析と展望があり、もう一方には IoT 端末により収集された膨大な情報が人工知能(AI)によって処理される未来社会の展望がある。

本報告書はどちらにも属さない。取りあげるのは、2010 年代の中国で現実
に観察された、モバイルインターネットの延⻑上にある物的端末とソリューションの試⾏錯誤の現場である。技術的に可能なことも経済的・社会的要因によってその社会への実装には程度の差が見られる。また大上段に未来を予測することは必要ではあるが、なによりもまず足元で生じている興味深い事例にも目を向けることが必要だと考えた。そのために技術よりも市場に、展望よりも現実に注目することを本報告書の主題とした。

この観点から見ると、中国は現在、世界最大の「巨大なる IoT 実験室」であり、デジタル社会化が音を立てながら、しかし土臭く進行している。中国は約 14 億(正確には 2018年末時点で中国大陸で 13.9538 億人)の人口を抱え、まさに過去 10 年間に情報インフラを急速に普及させるのみならず、巨大 IT 企業を生み出した。開発コストを抑えることができる製造業の分業体制を前提として、活発なベンチャー投資に支えられた膨大な数のベンチャー企業が参入しつつある。キャッシュレスでの少額決済を可能としたモバイル決済は新たなインフラとして様々なサービスを生み出した。産業用 IoT の領域ではアリババやテンセント、そして華為技術(ファーウェイ)がクラウドサービスと IoT ソリューションのプラットフォームを展開している。

大胆に言えば、グローバルなトレンドとして IoT とオープンイノベーションに、中国産業が元来持ち合わせてきた旺盛な新規企業の参入という条件が重なり、飛躍的な成果が生まれつつある。」

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