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深圳在外研究メモ No.38 Maker Faire Shenzhen 2017に参加編~日本から多くのプロジェクトが参加、そしてMaker Education でも深圳は拠点になるのか?

昨年に続きMaker Faire Shenzhenに参加しました、公式HPはこちら。今年の会場は留仙洞の深圳市職業技術学院です。学校での開催と言うこともあり、特に初日は若い学生が多く来場し、展示を盛り上げていました。

1.展示の様子

主な展示は、①アート系の展示とワークショップ、②大企業(ToshibaやAcerのIoTキット)の出展、③そしてスタートアップ/メイカー系に分かれていました。

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入り口の看板。

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校名の看板にもMaker Faireのアイコン、Makey。

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初日の朝の様子ですが、3日間つねにこのくらいの人がいました。

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フランスからのプロジェクト、WaterLight Graffiti。刷毛のようなスティックで触れるとLEDが点灯していき、絵を描くことができるというMakerアート作品。

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スタートアップエリアに出展していた教育用ロボットのスタートアップ。正直Makeblockにそっくりでしたが、この手のSTEM教育ロボットへのニーズは1社でカバーできる規模ではないため、こうしたスタートアップが昨年につづきいくつも見られました。

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金型メーカーも出展している辺りは、Maker Faire Tokyoとの違いかもしれません。スタートアップ向けのBtoBの展示も少数ではありましたが見られました。

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紙テープでアートを作るTAPIGAMIプロジェクトのDanny. 大道芸人のように会場を歩いていましたが、どこでも人だかりができていました。

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4社のロボットスタートアップ合同でのロボットバトル。ロボット自体も手作り感溢れる作りでしたが、いずれも教育/レジャー系ロボティクス市場に焦点を当てたスタートアップで、1社2社ではなく、層として教育系ロボット市場を開拓する企業が生まれていることを感じさせました。

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日本の鯖江から出展したLED眼鏡の出展ブース。まだプロトタイプの段階でしたが、多くの来場者が興味を持ってみていました。

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漫画『ホームセンターTENCO』も出展。中国語版の冊子も販売していました。

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寧波から出展していたプロジェクトアーティストとエンジニアの二人組で、デザイン志向の高い作品を販売しており、注目を集めていました。

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『脳震盪』の作品の一つ「思考の手」。モーターが動くと指がゆっくりと順番に動き、哲学者が物を考えている場面を思わせるつくりでした。教育用ロボットがより機能を売りとしているのに対して、これはアート、インテリアとしての価値を探った製品ですIMG_20171110_142505.jpg

主催者のEric Panが歩いていたので、写真をとってもらいました。夜のパーティの際に、「深圳の変化のスピードには常に驚かされる」と話したところ、Ericは「うん、でもそれが僕らにとっても対応するのが本当に大変なんだよ」と教えてくれました。私から見るとEricなんて最前線を走って引っ張っているように見えるのですが…。

2.Maker Education Forum

個人的に最も印象的だったのは「Maker Educationの実践」というフォーラムでした。コアのキュレーターはCarrie Leungで、深圳蛇口にあるアメリカンスクール(深美国際学校,Shenzhen American International School, Shekou )の先生で学校内にメイカースペースを設け、そこでプロジェクトベースラーニングを実践してる方です。

登壇者の中には前海自由貿易区に唯一ある小学校の校長先生も含まれていましたが、最も印象的だったのは、深美国際学校のカリキュラムを作ったTwila Busbyさんの講演と、深圳で子育てをして、子供がロボットコンテストなどにも参加しているRain Yuさんの講演でした。以下はお二人の講演の要約です。

2-1)Rain Yuさんの講演要約

私は清華大学卒業で、HUAWEI15年働いたエンジニアだが、その後自分で会社を作り、子供が生まれたこともあり、いまはエンジェル投資家としても活動している。私の息子は沢山のロボットをつくり、いくつかのコンテストで賞をもらってきた。息子はもともと内向きな性格で、英語のスペリングテストも苦手で、決して目立つ学生ではなかった。しかし彼の特徴は、手を動かすのが好きな点で、家の電灯が壊れたときには自分で直し、iPadのディスプレイが割れたときにはインターネットで修理の動画を見て、Taobaoで部品を買って、自分で直した。自転車も1台組み立てて、一つ一つの部品を理解していて、もはや私よりも詳しい。

息子は登壇者でもあるJames先生と一緒にロボットを学ぶようになり、徐々に展示会やコンテストにも出るようになって、だんだん自信がついてきた。展示会では作品を説明するために知らない人と話さなければならないし、徐々により活発に、より明るくなった

しかし中学校に入ってからは授業だけでなく、受験勉強のための塾通いが始まった。これは同級生みんながやっていることで、数学、英語、こうした科目を塾で勉強しなければ淘汰されてしまうからだ。そのため、イベントやコンテストに参加する時間がなくなってしまった。イベントに参加する時間があれば数学や英語をやらなければならないためだ。中国の教育制度自体が持っているこのような状況について私は議論したいと思っている。いまの中国の教育環境のもとで、どうすればいいのだろうか

南山区はいい条件の場所で、先日はTeamLabの展示会にいった。友達から薦められていったのだが、芸術と科学と一体となっていてとてもよかった。もっと多くの子供に行ってもらいたいから、子供用のチケットを買ってきた。せっかくだからなんでも質問してほしい。質問してくれた人にこのTeamLab展のチケットをあげたいと思う。 

今日は日曜日だ。息子は週末だから、友達と一緒にMaker Faireに来ようと思って、友達を誘った。しかし彼の友達は今日もみんな塾に行っている。だから息子の友達は一人として一緒に来てくれなかった。

 

2-2)Twila Busbyさんの講演要約

私は深圳のアメリカンスクールでカリキュラムを作っていた。それらはプロジェクトベースラーニングのアプローチでメイカー教育を組み込んで作ったものだ。すでに定年退職してアメリカに戻りっており、Makeマガジンに寄稿したり、Microbitを使った遊んだり、スタンフォード大学のFabLabのイベントに行ったりして過ごしている。 Makeという活動は、人間本来の活動であり、誰もができることだ。

Maker Eductionについて私の道しるべとなったのは、Invent to Learnだ。教育者にとってバイブルだ。そこでは次のように書かれている。「子供を現実のプロジェクトに参加させることで、子供たちは科学や数式が彼らのプロジェクトを継続するために必要であることを実感する。良いプロジェクトは、更に学ばなけれなならないことを教えるのだ。これはテストをしたり低い成績を与えることよりもずっとパワフルだ」。

学校(School)とMaker movementをどうつなげるか。学校という輪の中にメイカーを入れようとするのが通常のアプローチだ。しかし学校では沢山のやらないといけないことがあり、メイカー活動はそれらの中で埋もれてしまう。そこでProject Based Learning(PBL)と合わせて実施することが有効だ。PBLは思想であり方法である。ダイナミックに実際の世界の問題を解決するようなアプローチである。

現実として、学校、そして教師は生徒のテストの成績でその力量を評価されてしまうのが実情だ。いくつかの研究結果によると、実際にPBLを実施した学生は、より高い筆記試験の成績を記録している。だからこの評価軸でもPBLは有効なのだ。しかしMaker Educationが継続的に教育に組み込まれていくためにはMaker Cultureが社会の中で、培われて行かなければだめだろう。 

深圳で子育てをしている母親の悩みは、会場全体に強く響いたように感じました。日曜日にもかかわらず、友達が一人も一緒にMaker Faireに来てくれないという事実にはわたくし自身も驚きましたが、中国の現状のセンター試験(高考)制度の競争の激しさを考えると、それも理解できます。会場には他の地域からも中国人の教師が多く訪れており、受験戦争の激しさ、そしてTwilaが言及した普通のアプローチではMaker活動は埋もれてしまう、といった指摘に対して、質疑応答でも多くの反応がありました。そこには何か、現場で問題意識を持つ人たちの熱い思いがあったように感じました。

深圳の教育局では学内外にメイカースペースを設置し、DJIをはじめとする深圳の会社と協力してプログラムを作っているようで、この点も興味深かったのですが、深圳で教育を現場で実施している方々の悩みを聞くことができたのが、今回のMaker Faire最大の収穫でした。深圳は世界のMaker Movementのなかでも重要な拠点の一つとなりました。次に、Maker Educationの面でも、ここから何か面白い動きが広がっていく可能性もありそうです。

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登壇者。

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フォーラムの様子。

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Twilaさんの講演の様子。

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通常のアプローチでは、学校のなかにMakerを入れようとする。

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しかしこのアプローチでは他の沢山の活動のなかMaker活動は埋もれてしまう。

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だからこそ学校の活動の中に分野横断的に、Project Based LearningとしてMaker Movementを組み込むことが有効、というスライド。

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実は8月28日にすでに深圳のアメリカンスクールに行っていました。

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その時Project Based Learningの事例を教えてくれたCarrie.

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学校内のメイカースペース。

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課題は「電子部品を内蔵する製品をつくり、何らかの社会問題を解決すること」。しかもクラウドファンディングをするつもりで、ビジネスプランをつくり、損益の計算も小学生・中学生に実践させていました。Carrieはサンフランシスコでも教師をしていたので、西海岸直輸入のアプローチだと感じました。深美国際学校のProject Based Learningの資料はこちらにアップロードされています。

深圳在外研究メモ No.26 メイカースペースSegmakerでイベントを開催してみた編~ドローンミートアップと深圳観察会ワークショップ

深圳の新しいエコシステムとのつながりを深めるために開設されたニコ技深圳観察会Segmaker出張所。ここでこのほど2度ほどイベントを開催したのでメモしておきます。

1.ドローンミートアップ(6月25日)

一つ目は、ドローン業界関係者を集めた情報交換を行うドローンミートアップです。在外研究メモの No.23とNo.24で取り上げた「深圳国際ドローン展2017」に合わせて、日本から来たドローン業界関係者20名と、深圳のドローン業界関係者10名ほど、そして現地で活動をしている方々10名ほどをお招きにして開催しました。

日本側の参加者にはドローン・ロボティクスベンチャーの専門家やベンチャー企業経営者をはじめ、ちょうど展示会に来ていた日本UAS産業振興協会(JUIDA)の千田副理事長などが参加しました。中国側は、ドローンレース業界団体D1の創立者、ドローンのフライトコントローラーの開発者、群体制御を用いたスタートアップの創業者、そしてドローンスクールの経営者、そして深圳衛星テレビのドローン撮影部隊などが集まりました。

期せずして、ドローンの開発者、ソリューション事業者、パイロット養成のプロなど、多方面の関係者が集まり、特に中国側からのプレゼンは大いに盛り上がりました。例えばグループコントロールのスタートアップSkypixのLiu Chuhao氏は、DJIのフランク・ワンの師匠でもある李教授からも投資を受けているベンチャーの創設者で、北京の清華大学のイベントでドローンによる舞台表現をしている企業です。展示会ではおもにハードウェア企業が多く出展していましたが、深圳にはドローン業界の様々なプレーヤーが生まれています。

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開会直後の様子。

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深圳衛星テレビのドローン部隊が撮影した作品を上映。

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最後にグループフォト。

2.深圳ハードウェアスタートアップのエコシステム(7月4日)

二つ目のイベントは深圳観察会発起人の高須正和さん、そして製造請負のJenesisの藤岡淳一さんを登壇者として開催した「深圳ハードウェアスタートアップのエコシステム」。FacebookイベントやWechatでの広報を進めましたが、日本語イベントにも関わらず幸いにも上海や東京からの参加者も得て、ほぼ満員の状態になりました。

このイベントは、前回昨年12月に東大本郷キャンパスで開催したものの延長線上なのですが、後述するように、HAXにいるFujimotoさんも最後では登壇していただき、かなりリッチな議論ができました。

始めに私から深圳の大きな構造変化、とくに下請け加工の場からイノベーションの場となりつつあること、主要な特許データや代表的な企業家の紹介などをして、次に高須さんにご登壇いただきました。高須さんのスライドはこちらにアップロードされています。

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伊藤から若干の概説説明。

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高須さんの議論はまず、そもそもイノベーション自体の在り方が、2000年代半ば以降で大きく変わったという点からスタートしました。量的に測れる性能の工場ではなく、個人やコミュニティが量的には示しえないような好みやセンスで選ばれる製品・サービスがより重要になってきている、という指摘です。

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深圳でそれを体現しているのが、オープンソースハードウェアの低ロットからの試作および受託生産を行うSeeed。いかにSeeedがやっていることが新しいか、それは卓上印刷機が同人誌とそのカルチャーを育て、DTM(卓上音楽編集機)の登場が同人音楽を作り上げたように、デスクトップファブリケーションが広がることで、グローバルでIndieなモノづくりがうまれ、それを支え、育てるSeeedのような企業が登場した、というストーリーでした。

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一方で深圳には模倣の問題も存在。それを中国の企業家がどう見ているのかというセクション。コピー品が出る前に回収しなければならないというRobin Wu(通称シャンジャイ王)の意見と、コピー製品は結局製品の高度な作りこみを放棄しているので、わかるやつにはわかるし別セグメントだ、という上海のRex Chenの意見を紹介。

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続いてJenesis社の藤岡さんご登壇。製造の最前線で観察した深圳サプライチェーンのメリットデメリットをご報告いただきました。

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深圳の成熟しきったサプライチェーンに完全に乗っかる形で事業を展開している、との談。深圳に多数存在する、ソリューションハウスが提供する部品リストやサプライヤーリストを活用し、中華部品(ローカル部品)を活用することで短納期、低価格の製品供給を目指している。

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深圳を中心に形成された成熟したサプライチェーン。1時間以内に、電子部品モジュール、基板、金型、成型、ソリューションハウス、検査、さらに輸送インフラまでが揃う環境にある。

写真がないのですが、一方で、メリットだけでなく、デメリットもあるというお話も強調されていました。とくに、この流行りの大きなサプライチェーンのなかで調達できない尖った性能を持つパーツを利用しようとすると、むしろ輸入関税がかかり高価となってしまうそうです。

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Q&Aセッションでは、ハードウェアアクセラレーターHAXに現役で入居しているWalkies Labの藤本剛一さんにもご登壇いただきました。カナダから応募し、HAXで経験していること、そして実際に深圳でハードウェアを開発するなかで生じている問題点、とくに重要パーツが入手困難な場合も少なくないことなども率直にご報告いただきました。有難うございました。

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2つのイベントを開催してみて、深圳で深圳を多様なバックグラウンドの方々と議論する場所を作っていくことは有意義だなと感じました。在外研究メモNo.19でも若干紹介しているのですが、フィンランド、イギリス、フランス、韓国などの各国が自国のエコシステムと深圳をつなげようとしているなかで、Segmakerを利用して日本とのつながりが深まるのようなイベントを開催していければ、そのうち何かにつながるかもしれません。

深圳在外研究メモ No.25 ローカル系レーザーカッター工場を訪問する編~東莞市の雷宇激光を訪問、メイカースペースを支える現場を見た

在外研究メモのNo.9で、華強北エリアで開催されたレーザーカッターのワークショップに参加したことを書きました。このワークショップに来て現場の講師役を務めていたレーザーカッターメーカーが、東莞市雷宇激光設備有限公司です。今回この会社を訪問できたので、そのメモをまとめておきます。

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東莞市沙田鎮にある工場入り口。2010年から2013年にレーザーカッターの貿易を始めたものの、品質の管理に苦労したため、20135月に自ら生産に参入。現在、従業員数は25人ほどの小さな工場でしたが、とても若くまた明るい雰囲気の工場でした。基幹電子部品はすべて外部からの購入ですが、アルミフレームの切削加工は自社内でおこなっており、後述するレーザーチューブの検品を全量行うことで、製品の品質を安定化させていることが、この価格帯のレーザーカッターとしての差別化につながっているようでした。

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当社の主力製品であるNova、販売価格は約2万元(36万円)。

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木材加工の例。

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同上。

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アクリル加工の例。

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5層の加工による毛沢東像。

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工場の生産現場。

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コントロール系統が入る箇所。サーボモーターとコントロール系統は雷賽智能のものを使用。

前回、3Dプリンター工場を訪問した際にも明らかだったのですが、XY軸をコントロールする軸自体を安定させることが重要で、ここは手作業での調整がものを言います。また、サーボモーター、そしてコントロール系統が深圳東莞エリアで製造されていることの意味も大きいでしょう。木材加工やアクリル加工のように、それほど精度を求められないセグメントでは、もはや現地調達されたサーボモーターとコントローラーで十分な性能が得られます。「XY軸を正確に動かし、それにレーザーを連動させる」というシンプルな課題に安価に応える現場がここにあると感じました。

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炭酸ガスチューブ。

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工場を見学した中で、案内してくれたKen(副総経理)が最も大事だといったのは、炭酸ガスチューブのエイジングと検査工程でした。Ken曰く、米国産のサイズのレーザーを購入すると10万元(約160万円)かかるそうで、それに対して中国産チューブの価格は1/20以下。寿命は約1/10で、米国産4万時間に対して中国産は4000時間ほどで交換が必要になるそうです。Kenによれば、雷宇の現在の販売先である欧米の工場や、手工芸用の教室、そしてメイカースペースでは、それほど長時間の使用をしない場合が多いため、4000時間の寿命で2年ほど持つそうで、寿命が来たら交換する形でコストを抑えているとのこと。

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アルミ部品の加工現場。

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ドイツの代理店関係者との写真。販売実績の90%が海外で、ドイツに300台、米国に200台、日本にはまだ34台の納入にとどまっています。中国国内でもメイカーズムーブメント(創客)の広がりによってニーズが生まれているそうですが、圧倒的に3Dプリンターへのニーズが勝る状況にあり、こうした教育系市場へのレーザーカッターの普及にはまだ時間がかかりそうです。むしろ東莞ではアパレル生地の裁断用のレーザーカッターメーカーが多数あるとのこと。

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記念撮影。ともかく現場の明るい雰囲気が印象的でした。

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訪問終了時には、記念撮影したものが木版に彫刻されて、プレゼンしていただきました。

Kenさん、ありがとうございました!

講演会告知:深圳ハードウェアスタートアップのエコシステム(深圳硬件新兴企业的生态圈 )

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日時(时间):2017年7月4日18:30-20:30

会場(地点):深圳市福田区華強北賽格広場12階Segmaker(华强北赛格广场12楼赛格众创空间)

主催(主办方):ニコ技深圳観察会Segmaker出張所

事前登録:不要です(不需要登记)

言語:日本語(this workshop will be hold in Japanese, but welcome international friends to join. 这研讨会语言为日语,但非常欢迎国际友人过来参加)

 

登壇者(演讲来宾)

高須正和(teamLab)

無駄に元気な、チームラボMake部の発起人。チームラボ/ニコニコ学会β/ニコニコ技術部/DMM.Makeなどで活動、『ニコ技輸出プロジェクト』を開催。『メイカーズのエコシステム 新しいモノづくりがとまらない。』(インプレスR&D, 2016年)を出版。ブログでも情報を発信:https://medium.com/@tks

 

藤岡淳一(創世訊聯科技(深圳)有限公司 董事總經理)

1996年千代田工科芸術専門学校卒、派遣技術者として家電大手の製造部門で勤務。デジタル機器ベンチャーを経て2011年にジェネシスを創業。2013年深圳工場を設立。イオングループの「格安スマホ」の納品を手掛けるなど、深圳のサプライチェーンの最前線で活躍。http://jenesis.jp/

 

司会(主持人)

伊藤亜聖(東京大学社会科学研究所/深圳大学中国経済特区研究センター)

 

タイムテーブル(时间表)

18:00開場、おいしいフルーツティを用意しております (18点开始入场,喝喝水果茶)

18:30講演会開始(18点半开始演讲会)

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連絡先(联系人):伊藤亜聖

Wechat ID: aseiito

Email: asei@iss.u-tokyo.ac.jp

(地図データなどシェアできるので、できればWechatでご連絡ください)

 

深圳在外研究メモ No.23 深圳国際ドローン展2017に参加する編①~「世界無人機大会」の規模、そして南京航空航天大学の先生の「ドローン×AI」の議論が刺激的だった

私は新興産業の事例研究として、中国のドローン産業にも注目して研究をしています。最近ですと日本の専門メディアDrone Journalに「加速都市・深圳から見るドローンの未来」を書いています。

現在滞在している深圳では、昨年に続き深圳市無人機協会の主催による深圳国際ドローン展が開催されています。昨年の展示会にも参加しているので、去年の開催概要はこちらをご覧ください。

以下、初日に参加した雑感を写真にメモしておきます。現時点での印象としては、①昨年は参加が見られなかったDJIが、副総裁をコンファレンスに出したことが会議自体の重みを大きく変え始めている、②コンシューマーセグメントにおけるDJIの一強状態を反映して、出展メーカーは産業用ドローンメーカーが圧倒的に多いこと、③「世界無人機大会」というコンファレンスが巨大で、しかも海外の来賓のプレゼンより中国側のプレゼンが刺激的だったことがあります。展示の内容については明日以降に取材したものを次に書くことにして、以下では、初日のコンファレンスについて若干触れておきたいと思います。

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昨年に続き会展中心で開催されているドローン展。

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7-8号館が会場となっていますが、主に8号館にドローンが、7号館には画像認識系の展示が集まっています。

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開幕式の様子。1時間くらい押して始まりました。

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「世界無人機大会」、深圳市ドローン協会・楊金才会長による挨拶。

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合計10のキーノートスピーチの一番で登壇したDJIの副総裁、徐華濱氏。タイトルは「娯楽から生産力へ:ドローン産業の未来の生態系」。

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DJIの機種開発を4つの段階に分けて説明。第一段階は、飛ぶのに十分な飛行機能(ホバリング、操作)を持たせる段階。第二段階が空撮セグメントを開拓するために必要な機能(カメラおよびジンバルの搭載)を持たせる段階。第三段階が、衝突回避、追跡、ジェスチャーコントロールといったスマート化。そして第四段階が産業用ドローンの段階で、悪天候への耐久性、信頼性、モジュール化およびオープン化によるカスタマイズ需要への対応、という段階。

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ハードウェアは主に3つのプラットフォームで対応。

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ソフトウェアは、①フライトコントローラー、②データ収集、③データ分析の3つのレイヤーでパートナーを選定していく。

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マーケティングとシステム開発の両面でパートナーを増やす戦略、とのこと。本当はDJIはもっと未来を考えているはずですが、ここではあくまでもパートナーを増やすというプレゼンテーションをしていました。

 

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別のプレゼンの中で、強烈だったのは南京航空航天大学の黄大慶先生のプレゼンです。ドローンにAIを搭載し、ネットワーク化することで何ができるかという議論をしていました。結論として、蜂の群れの研究を応用し、相互に連結した、自律したドローンの群れにAIを搭載すれば、第一に軍事用途では「この顔のテロリストを排除せよ」と命令すれば自動で発見し攻撃し排除できる。世界を5つくらいのエリアにわけて管理すればよい、とのこと。第二に、民用では、AIに「農作物を育てて収穫量を増やせ」と命令すれば、ドローンの群れが自動で農薬をまき、水の生育状況を把握できる。他の登壇者が実務的な機体開発、法規制、ソリューション、そして国際協力の話をする中で、黄教授のものが最も野心的なプレゼンで、「ドローン×AI」の議論は刺激でした。

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ドローンにAIと自律的グループコントロールを追加した場合に可能になる民用用途を解説しているスライドです。

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「世界無人機大会」の様子。

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「深圳無人機宣言」を多くの国から来た代表と署名し、「世界無人機大会」はフィナーレ。

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二日目以降には専門的なセッションが複数開催されます。すべては把握できませんが、展示の内容と合わせて次回書きます。