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深圳在外研究メモ No.24 深圳国際ドローン展2017に参加する編②~展示の特徴は産業用、大型機、固定翼、そしてアンチドローンシステム等々。非空撮市場をめぐる競争へ。

6月24日、深圳ドローン展の2日目、主に会場を見学しました。

産業用ドローンが展示の大多数を占めており、なかでも警察公安消防といった官需系ドローン、そして固定翼ドローンが目立ちました。要するに、DJIが市場を掌握しているコンシューマーセグメント以外で、各社競争しようとしていることが明確に表れていました。ただ、DJIもMatrice200に代表される機種で、特に測量と検査市場を、Agrasで農業用市場を開拓しています。徐々に民需はDJI、官需は他の大手、といった方向が見えてくる可能性も感じました。

以下、写真です。

1.個別コンファレンスの様子

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会展中心五階からの風景。

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少し覗いたドローンの電力システムへの応用フォーラム。関係企業の担当者が集まり密度の濃いプレゼンが進んでいました。

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北京の電力検査会社のプレゼン。ソーラーパネルの検査を省力化し、大きなシステムのなかにドローンを組み込んだサービスを展開していました。

2.会場で目立った産業ドローンと大型ドローン

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一つの典型としてのJTTの産業用ドローン。カメラ以外に、拡声器、大型発光機などを搭載可能。

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警察公安向けドローンの大手、AEE。

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水素燃料電池により4時間の飛行を実現したMMC。

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人命救助用ドローンの試作機、ペイロード125kg。

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40リットルの農薬を搭載できる大型農業用マルチコプター。

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搭載する機器によって様々な用途に対応可能という面を強調した大型ドローン。

3.目についた固定翼機

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固定翼機の数の多さも中国ドローン産業の特徴の一つと言えそうです。測量向けのものもありましたが、多くは偵察、さらに軍事寄りと思われるものもありました。日本のドローンの展示会、例えば3月のJapan Droneでは固定翼機はほぼ皆無だったと記憶しており、この差は明確です。

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4.アンチドローンシステム

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妨害電波を放ち、ドローンを撃墜する機器。

 

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周波数を設定。

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別の企業のアンチドローンガン。

以上、ひとまずのメモまで。

現地報道追記:

http://news.sina.com.cn/c/2017-06-24/doc-ifyhmtrw3783731.shtml

http://news.xinhuanet.com/tech/2017-06/24/c_1121202484.htm

 

深圳在外研究メモ No.18 アニメイベントで実況中継アプリ花椒の威力を知る編~学生グループが楽しく実況。平均課金額は200円でも、最高課金者は1.4億花椒豆(約2億3千万円)課金

深圳市内の遊園地「歓楽谷(Happy Valley, Huanlegu)」で「次元の壁を打破しよう」といううたい文句のアニメイベントが開催されていたので少し見てきました。

イベントの内容としては、参加者公募式で、アニメやゲームに関連する歌や劇を一般人が披露し、最後に表彰する形式です。細かくはわかりませんが、予選がずっと開催され、最終日に20組ほどが残っていました。日本語のアニメソングを歌う人が半分くらいで、日本のコンテンツの強さを感じたわけですが、現地で見学していて一番面白かったのは、スマホアプリで中継をしているグループがいくつかあったことです。

 

1.実況中継のグループに声をかけたら深圳大学の学生だった

写真はエントリーの下に並べてありますが、アニメイベントの一角で、5人組で脚立にスマホを乗せて、何やら実況しているグループが。メインの実況者は軽くコスプレをしている綺麗な女の子で、その周りで4人がサポートしています。さっそく声をかけてみると、実況は「花椒直播」アプリを使い、主に実況しているのは深圳大学2年生の66(りゅーりゅー)さんで、それ以外の人はみな社会人だけど、アニメやコスプレが好きで、66さんの活動をたまにサポートしているメンバーとのことでした。実況中継開始時にはほとんど見ている人はいなかったのですが、後半はリアルタイムで7500人を超えるユーザーが彼女のこの実況を見ていました。逆にインタビューされて、私も花椒に若干ですがデビューしました。

 

2.花椒(ふあじゃお、Huajiao)の概要

花椒(ふあじゃお、Huajiao)についてはすでにいくつかの記事で紹介されています。例えば「中国、スマホの中の「女神」たち 私生活さらし月収200万円」などで、主に女性の実況者が実収入を得ているという点が報道されています。「【中国EC】1年足らずで急成長「生放送アプリ」のパワーがすごい!」では類似サービスと広告料まで掲載されています。中国の企業系列でいうと、アンチウイルスソフト大手の奇虎360系列です。

もう少し利用の手続きとビジネスモデルを確認しておくと、

1)アプリをダウンロードしたら、誰でも視聴はできる。ブラウザからの視聴もできる。おそらく一見してその雰囲気は伝わると思います。

2)中国の携帯電話番号と紐づけることでコメントの書き込みができる

3)WeChat PayやAlipayとリンクすることで、アプリ内通貨「花椒豆(Huajiaodou)」を購入でき、これを気に入った実況中継者にリアルタイムで贈れる。もらった側は電子通貨や銀行口座に換算して振替可能(換金時の換算率は普通配信者で75%、優秀配信者で80%との報道あり。要確認)。要するにデジタル投げ銭ができる。

4)アプリ内通貨に当たる豆は、60豆6元から課金可能。購入量を増やしても割引は一切なし。10豆1元=16円なので、1豆1.6円から「実況乙です!」とデジタル投げ銭ができる。

5)中国の身分証で実名登録すると実況ができる。なお、Alipayの機能である、芝麻信用(Zhima Xinyong)とリンクさせることで、手続きはワンクリックで終了する。ちなみに実況画像をリアルタイムで「可愛く」修正することもできる。中国の身分証を持たない外国人は「信頼できる友人の身分証番号をいれる(この場合この友人のアカウントに入金される)」か別途カスタマーサービスに問い合わせてくれ、とのこと。

6)花椒運営側の収入は①デジタル投げ銭の換金差額(1元課金したら0.2元は確実に運営側のものになる)、②アプリとしてデイリーで500~1000万人が利用するので広告料収入が大きい、そして③花椒豆として預けられている多額の資金の運用、この三つが主要な収入だと思われる。

第三の投げ銭ができることが決定的で、これによりプロ、セミプロの実況中継者が続出し、ユーザーも増加しているようです。2015年6月にリリースされ、2016年6月にアクティブユーザー1000万ユーザーを超えたそうです。

 

3.課金額

現地記事「花椒直播发布首份年度大数据报告 详解直播行业发展现状」によると…

1)2016年の実況中継者が得た贈り物の回数は50億回、この中には無償のものも含まれているので、換金できる「花椒豆」の総収入は1.28億元(1元16円換算で20.48億円)。

2)課金している人の内訳は自営業27.8%、会社職員18.9%、産業・サービス業従業者14%、会社管理・経営者11.7%、大学教授6.3%(本当なのか…)。大学教授の課金額は5000万元に達したそう。

3)大学生が実況するのは一番多いらしく、毎日10万本の実況が行われている。学生で最高の収入を得たのは、190万元(3040万円)。

2016年の総課金額20.48億円を、ユーザー数年央のアクティブユーザー数1000万人で割ると、204.8円になりますので、割とあり得る金額になっています。ただ、高額課金者はけた違いです。アプリ内で「今日の最高課金者」とか「累計最高課金者」を見ることができます。それによると、2017年5月7日夜12時時点では、1位は1.44億花椒豆を人に贈っており、1440万元、つまり2億3040万円を課金しています。クラッシュオブクランなどの世界的なスマホゲームではこのくらいの課金があり得るのでしょうか…。

4.ひとまずの感想

ちょっとした感想をメモしておくと、66さんはあまり投げ銭には関心を持っていない感じで、趣味で好きなことを実況している層のようでした。一方で、アプリ内には美女が踊って歌ってしゃべって、露骨に課金あおるような雰囲気もあります。シェアサイクルやシェアバッテリーを紹介した回とも共通することですが、「スマホと電子マネー」が結合することで、誰もがその場で課金できるようになったことで、このような実況中継アプリの興隆が起きているのでしょう。この他に中国や東南アジアで感じることですが、自撮り文化が強く、こうした配信が広まりやすい土壌もあるように思います。

 

※補足

なお、このような番組を通して、「過度なお色気」番組を配信したり、「国家転覆」などを意図した場合には即配信停止かつ実名登録なので場合によっては逮捕されるようです。利用規約を参照。

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イベント会場の一角で実況中継するグループ。中央が66(りゅーりゅー)さん。右のサポート役は機材を運んだり、する機材担当で、左側はサポートで会話に参加したり、コメント欄を盛り上げる役だった。あともう一人の男性はカメラマンで、女性も時々66さんと会話しながら盛り上げていく感じ。

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画面ではこのような感じ。右上に表示されている7,343人がリアルタイムで見ている。画面下のチャットには、入室、発言、贈り物がタイムラインで流れていく。例えば、画面中央左側には「中継おつです×11」と表示されていて、11豆が66さんに贈られている。ちなみに66さんの花椒号(ふあじゃおアカウント)は115464146です。なお、中堅の実況者で視聴者数万人はざらのよう。

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サポートメンバーも手伝いつつ実況。機材はスマホ、脚立、ワイヤレスマイクのみ。データ通信料だけが気になる。

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2時間にわたる実況の終盤。66さんは「午後は授業だからそろそろ中継終わるね~」と去って行った…。ポーズといい、装備といい、溢れる「RPGのパーティー感」。

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タグには「歌唱」、「アウトドア」、「踊り」、「楽器」、「星座」など色々あるなかで「キャンパス」を見ると確かに全国の大学がヒットする。特に芸術系の学校が目立つが、もしこちらに留学中の方がいたら、学内で誰が中継しているか探してみたらいいかも。タグのなかには「顔値」なるものまである。

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他の実況者の画面。5.8万人が視聴しており、総累計で330万豆(=33万元、528万円)を受け取っている実況者。画面下に課金アイテムやイベントアイテムを選択でき、「実況お疲れ様」が1豆(0.1元、1.6円)、右側のよくわからないアイテムは19,999豆なので、1,999元、つまり31,984円の課金アイテムをワンクリックで実況者に贈ることになる。

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地味にゲームや将棋、麻雀を実況する人たちも。

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課金ランキング。上位は1億豆、つまり1000万元(1.6億円)くらいの課金。北京、上海、広州、深圳のいい場所にマンション一部屋か場合によっては二部屋買えるくらい課金をしている。

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同時点で二位だった(直前まで1位でした)の「星爷」さんは1.2億豆を送っていますが、フォローしているのは一人の実況中継者のみ。ハードコアなファンであることを感じさせる。ユーチューバーの場合には何よりもアクセス数を増やすことが重要ですが、花椒ではコアなファンを深掘りする戦略が有効。

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受け取り側ランキング。豆の数に1.6をかけた円をもらっているので、最上位は数千万~億豆クラス、1億円くらいを稼いでいる。日本人ユーチューバーでいうとHIKAKINさんやマックスむらいさんクラスか。

 

追記

東洋経済に記事「色気で稼ぐ「生中継アイドル」を量産する現場 上海のアイドルマネジメント会社を直撃」が面白いです。実際、わたくしが取り上げている上のグループも、後日わかったことですが、メディア会社の支援がありました。

http://toyokeizai.net/articles/-/171337

深圳のエンジニアたちの野心みなぎる眼

深圳に少しだけ行ってきました。

一番印象に残ったのは、製品云々よりも、若いエンジニアたちがPCに向かっている姿でした。眼に迫力のあるエンジニアたちが並び、話をしていても、興味のある話題になると圧倒的な熱狂をもって話をし、切り上げようとしても「私から質問がある」といって絶対に離さない、帰さない、そんなエンジニアたちがこの街を前に突き動かしていると感じました。

 

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まず目についたのがシェアサイクルが本当に普及していること。歩いていると、普通に自転車が置いてあり、アプリを使って鍵をアンロックし、乗ることができます。

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ofoのシェアサイクル。番号が100万番を超えていました。

 

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中国科学院の先進技術研究院内部にある「創客学院」。シェアオフィスなのですが、2015年に立ち上げてすでに69組が入居したとのこと。VCもセットになっている。

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朝の電気街・華強北。いよいよ改修工事がおわり、歩行者天国になっています。

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「メイカーホテル」。なんでもメイカーにしてしまうムード。

韓国KIEPにコラムが掲載されました

韓国の政府系シンクタンク、Korean Institute for International Economic Policy(KIEP)China Specialist Forum(CSF)というページがあり、そこにコラムが掲載されました。以前にも述べた文章の翻訳版です。

韓国語なので翻訳されたものを私は読めないのですが、クロームでグーグル翻訳を使って読むと、編集者の方が沢山の注もつけていただいて、大変丁寧でありがたいかぎりです。

CSFのページを見てみると、中国の国内ニュースやレポートについても結構なペースで概要が翻訳されていますし、コラムのテーマも結構面白いです。例によってグーグル翻訳で読むとほかのコラムは以下のようなペースと内容です。

中国の増値税とわが国の付加価値税(2017. 2.16)

中国の土地使用権及び不動産紛争に関する対応方法(2017. 2.14)

中国非全日制雇用の法的リスクと対策(2017. 2.14)

伝統東アジア言説に対する批判的考察(2017.2.09)

中国と韓国の間の標準協力の重要性と意味(2017.2.09)

スモッグと政治(2017.2.09)

かなりテーマ的には広いのですが、どれも各論で書かれていて、日本だとサイエンスポータルチャイナRIETIの関志雄先生のコラムに近いでしょうか。次はもう少し各論を寄稿しようと思います。

メイカーズ×アジア, 2016年12月15日, 深圳サプライチェーンとスタートアップ、深圳の強みと難しさ・リスク、そして「メイカーズはみんな違ってみんな良い」

ワークショップ『メイカーズ×アジア』を開催しました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

 

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木村さんからは中国経済のトレンドの変化、そしてそれにグローバルな起業環境の変化という流れから、深圳市のスタートアップ企業の事例をご報告いただきました。

 

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藤岡さんからは、深圳市での起業の経緯から、なぜたくさんの工場があるところにわざわざまた工場を作ろうと思ったのか、そして中国人がやらないことをやるとはどのような事業なのか、ご講演いただきました。

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高須さんからは、グローバル、そしてアジアのメイカーズムーブメントを、そもそもどういった背景があったのか、そして成都とチェンマイでどのようなメイカームーブメントが動いているか、ご講演いただきました。

高須さんのスライドはこちらにアップされています。

 

ひとまずの御礼まで。