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深圳在外研究メモ No.26 メイカースペースSegmakerでイベントを開催してみた編~ドローンミートアップと深圳観察会ワークショップ

深圳の新しいエコシステムとのつながりを深めるために開設されたニコ技深圳観察会Segmaker出張所。ここでこのほど2度ほどイベントを開催したのでメモしておきます。

1.ドローンミートアップ(6月25日)

一つ目は、ドローン業界関係者を集めた情報交換を行うドローンミートアップです。在外研究メモの No.23とNo.24で取り上げた「深圳国際ドローン展2017」に合わせて、日本から来たドローン業界関係者20名と、深圳のドローン業界関係者10名ほど、そして現地で活動をしている方々10名ほどをお招きにして開催しました。

日本側の参加者にはドローン・ロボティクスベンチャーの専門家やベンチャー企業経営者をはじめ、ちょうど展示会に来ていた日本UAS産業振興協会(JUIDA)の千田副理事長などが参加しました。中国側は、ドローンレース業界団体D1の創立者、ドローンのフライトコントローラーの開発者、群体制御を用いたスタートアップの創業者、そしてドローンスクールの経営者、そして深圳衛星テレビのドローン撮影部隊などが集まりました。

期せずして、ドローンの開発者、ソリューション事業者、パイロット養成のプロなど、多方面の関係者が集まり、特に中国側からのプレゼンは大いに盛り上がりました。例えばグループコントロールのスタートアップSkypixのLiu Chuhao氏は、DJIのフランク・ワンの師匠でもある李教授からも投資を受けているベンチャーの創設者で、北京の清華大学のイベントでドローンによる舞台表現をしている企業です。展示会ではおもにハードウェア企業が多く出展していましたが、深圳にはドローン業界の様々なプレーヤーが生まれています。

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開会直後の様子。

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深圳衛星テレビのドローン部隊が撮影した作品を上映。

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最後にグループフォト。

2.深圳ハードウェアスタートアップのエコシステム(7月4日)

二つ目のイベントは深圳観察会発起人の高須正和さん、そして製造請負のJenesisの藤岡淳一さんを登壇者として開催した「深圳ハードウェアスタートアップのエコシステム」。FacebookイベントやWechatでの広報を進めましたが、日本語イベントにも関わらず幸いにも上海や東京からの参加者も得て、ほぼ満員の状態になりました。

このイベントは、前回昨年12月に東大本郷キャンパスで開催したものの延長線上なのですが、後述するように、HAXにいるFujimotoさんも最後では登壇していただき、かなりリッチな議論ができました。

始めに私から深圳の大きな構造変化、とくに下請け加工の場からイノベーションの場となりつつあること、主要な特許データや代表的な企業家の紹介などをして、次に高須さんにご登壇いただきました。高須さんのスライドはこちらにアップロードされています。

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伊藤から若干の概説説明。

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高須さんの議論はまず、そもそもイノベーション自体の在り方が、2000年代半ば以降で大きく変わったという点からスタートしました。量的に測れる性能の工場ではなく、個人やコミュニティが量的には示しえないような好みやセンスで選ばれる製品・サービスがより重要になってきている、という指摘です。

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深圳でそれを体現しているのが、オープンソースハードウェアの低ロットからの試作および受託生産を行うSeeed。いかにSeeedがやっていることが新しいか、それは卓上印刷機が同人誌とそのカルチャーを育て、DTM(卓上音楽編集機)の登場が同人音楽を作り上げたように、デスクトップファブリケーションが広がることで、グローバルでIndieなモノづくりがうまれ、それを支え、育てるSeeedのような企業が登場した、というストーリーでした。

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一方で深圳には模倣の問題も存在。それを中国の企業家がどう見ているのかというセクション。コピー品が出る前に回収しなければならないというRobin Wu(通称シャンジャイ王)の意見と、コピー製品は結局製品の高度な作りこみを放棄しているので、わかるやつにはわかるし別セグメントだ、という上海のRex Chenの意見を紹介。

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続いてJenesis社の藤岡さんご登壇。製造の最前線で観察した深圳サプライチェーンのメリットデメリットをご報告いただきました。

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深圳の成熟しきったサプライチェーンに完全に乗っかる形で事業を展開している、との談。深圳に多数存在する、ソリューションハウスが提供する部品リストやサプライヤーリストを活用し、中華部品(ローカル部品)を活用することで短納期、低価格の製品供給を目指している。

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深圳を中心に形成された成熟したサプライチェーン。1時間以内に、電子部品モジュール、基板、金型、成型、ソリューションハウス、検査、さらに輸送インフラまでが揃う環境にある。

写真がないのですが、一方で、メリットだけでなく、デメリットもあるというお話も強調されていました。とくに、この流行りの大きなサプライチェーンのなかで調達できない尖った性能を持つパーツを利用しようとすると、むしろ輸入関税がかかり高価となってしまうそうです。

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Q&Aセッションでは、ハードウェアアクセラレーターHAXに現役で入居しているWalkies Labの藤本剛一さんにもご登壇いただきました。カナダから応募し、HAXで経験していること、そして実際に深圳でハードウェアを開発するなかで生じている問題点、とくに重要パーツが入手困難な場合も少なくないことなども率直にご報告いただきました。有難うございました。

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2つのイベントを開催してみて、深圳で深圳を多様なバックグラウンドの方々と議論する場所を作っていくことは有意義だなと感じました。在外研究メモNo.19でも若干紹介しているのですが、フィンランド、イギリス、フランス、韓国などの各国が自国のエコシステムと深圳をつなげようとしているなかで、Segmakerを利用して日本とのつながりが深まるのようなイベントを開催していければ、そのうち何かにつながるかもしれません。

深圳在外研究メモ No.23 深圳国際ドローン展2017に参加する編①~「世界無人機大会」の規模、そして南京航空航天大学の先生の「ドローン×AI」の議論が刺激的だった

私は新興産業の事例研究として、中国のドローン産業にも注目して研究をしています。最近ですと日本の専門メディアDrone Journalに「加速都市・深圳から見るドローンの未来」を書いています。

現在滞在している深圳では、昨年に続き深圳市無人機協会の主催による深圳国際ドローン展が開催されています。昨年の展示会にも参加しているので、去年の開催概要はこちらをご覧ください。

以下、初日に参加した雑感を写真にメモしておきます。現時点での印象としては、①昨年は参加が見られなかったDJIが、副総裁をコンファレンスに出したことが会議自体の重みを大きく変え始めている、②コンシューマーセグメントにおけるDJIの一強状態を反映して、出展メーカーは産業用ドローンメーカーが圧倒的に多いこと、③「世界無人機大会」というコンファレンスが巨大で、しかも海外の来賓のプレゼンより中国側のプレゼンが刺激的だったことがあります。展示の内容については明日以降に取材したものを次に書くことにして、以下では、初日のコンファレンスについて若干触れておきたいと思います。

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昨年に続き会展中心で開催されているドローン展。

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7-8号館が会場となっていますが、主に8号館にドローンが、7号館には画像認識系の展示が集まっています。

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開幕式の様子。1時間くらい押して始まりました。

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「世界無人機大会」、深圳市ドローン協会・楊金才会長による挨拶。

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合計10のキーノートスピーチの一番で登壇したDJIの副総裁、徐華濱氏。タイトルは「娯楽から生産力へ:ドローン産業の未来の生態系」。

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DJIの機種開発を4つの段階に分けて説明。第一段階は、飛ぶのに十分な飛行機能(ホバリング、操作)を持たせる段階。第二段階が空撮セグメントを開拓するために必要な機能(カメラおよびジンバルの搭載)を持たせる段階。第三段階が、衝突回避、追跡、ジェスチャーコントロールといったスマート化。そして第四段階が産業用ドローンの段階で、悪天候への耐久性、信頼性、モジュール化およびオープン化によるカスタマイズ需要への対応、という段階。

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ハードウェアは主に3つのプラットフォームで対応。

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ソフトウェアは、①フライトコントローラー、②データ収集、③データ分析の3つのレイヤーでパートナーを選定していく。

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マーケティングとシステム開発の両面でパートナーを増やす戦略、とのこと。本当はDJIはもっと未来を考えているはずですが、ここではあくまでもパートナーを増やすというプレゼンテーションをしていました。

 

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別のプレゼンの中で、強烈だったのは南京航空航天大学の黄大慶先生のプレゼンです。ドローンにAIを搭載し、ネットワーク化することで何ができるかという議論をしていました。結論として、蜂の群れの研究を応用し、相互に連結した、自律したドローンの群れにAIを搭載すれば、第一に軍事用途では「この顔のテロリストを排除せよ」と命令すれば自動で発見し攻撃し排除できる。世界を5つくらいのエリアにわけて管理すればよい、とのこと。第二に、民用では、AIに「農作物を育てて収穫量を増やせ」と命令すれば、ドローンの群れが自動で農薬をまき、水の生育状況を把握できる。他の登壇者が実務的な機体開発、法規制、ソリューション、そして国際協力の話をする中で、黄教授のものが最も野心的なプレゼンで、「ドローン×AI」の議論は刺激でした。

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ドローンにAIと自律的グループコントロールを追加した場合に可能になる民用用途を解説しているスライドです。

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「世界無人機大会」の様子。

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「深圳無人機宣言」を多くの国から来た代表と署名し、「世界無人機大会」はフィナーレ。

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二日目以降には専門的なセッションが複数開催されます。すべては把握できませんが、展示の内容と合わせて次回書きます。

深圳在外研究メモ No.14 ドローンスクールに入学してみた編~アプリ学習、Alipay支払い、そして総括は漢詩

中国のドローン産業の研究をしており、3月に『中国ドローン産業報告書2017 動き出した「新興国からの新興産業」』を刊行しました。さらに現地の状況を深く理解するために、日本ドローンレース協会の川ノ上氏と一緒に現地のドローンスクールに入学しました(以前からの知り合いの学校です)。直接的には農業用ドローンや視野外飛行も可能となるAOPA免許の取得が目標ですが、これを通して現地のドローン関連のコミュニティにも入れるので、さっそく興味深い学びが続いています。

まず入学を申請すると、Wechatで次のようなお知らせが来ました。

①スマホとPCからログインできるアプリで勉強できるので、ダウンロードしてください

学費はAlipayか銀行口座振替で支払ってください

さらに同級生および先生のWechat グループチャットが作られて、皆で軽く自己紹介、そして「明日午前に第一回の概論やるけど、参加できる?」と。動きが速い…。クラスメートには中国南方航空のエンジニアなどが含まれており、航空業界のプロがドローンを勉強しに来ていることも驚きでした。

そして第一回授業は座学での概論、約40分の授業3コマで2時間。当然すべて中国語ですが主な内容は下記のとおりでした。中国でのドローンの分類は3月のレポートでも調べていたのですが、深圳での実際の飛行の話、空気の汚染の度合いも中国では注意が必要、というような話もあって、特徴的でした。

1コマ目「ドローン概論」:ドローンの種類、中国におけるドローンの法律上の定義および分類(重量別、飛行距離別、飛行高度別)

2コマ目「ドローンの管理体制と法律」:中国国内でのドローン応用分野の概況、ドローン関連の法律整備の進展と現状、深圳における飛行管理の状況

3コマ目「ドローン飛行時の注意点」:気象状況(風、温度、湿度、空気の汚染度)、無線電波状況(磁気、キャリブレーション、GPS)、地上の要因(建築物と樹木、電線の影響、視覚の誤認識、空港周辺での注意)(DJI職員へもレクチャーした内容らしい)

2時間で3コマの授業だったので、ぶっ続けでもあまり問題ない長さではあるのですが、基本的に、1コマ(約40分)のレクチャーの間の休憩は1分間。これが深圳速度なのか…(もちろんトイレに行きたいと言えば待ってくれると思いますし、少人数ということもあったと思いますが、必要ないなら休まないという雰囲気でした…)途中ではドローン関係の事故の動画を見せてくれたり、実際に飛行していて劉先生が失敗した経験も教えてくれて、大変ためになりました。次回以降も楽しみです。ちなみに、先生がいる時間帯であれば、オフィスでのシュミレーターでの訓練、そして外部での実機飛行も自由にできるそうです。

そして秀逸だったのが、最後の漢詩。

起飞之前多检查,大风大雨待在家

法律法规要牢记,危险区域要远离

航行线路先熟悉,距离控制视距里

飞行安全莫儿戏,诸君且飞且珍惜

訳すとすれば下記のような感じでしょうか。

飛行前によく検査、大雨強風家で待て

法律法規はちゃんと読め、危険区域から遠く離れ

まずは航路を熟知、飛行は視野内

飛行安全おろそかにせず、諸君飛行は慎重に

 

以下、実際の様子です。

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スクールの入り口。

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入学者にのみ配布されるAOPAが編集したマルチコプターの教材。344ページ。

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小規模での授業の様子。

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法律の整備の状況。かなり細かく、「実はこの会議での決定が大事だった」など、裏話まで含めて解説してくれました。

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気象状況がドローンの飛行に与えうる要因についての整理。「能見度」、つまり大気汚染で見えないこともある点は確かに中国では大事。

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このまとめの漢詩が秀逸でした。

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学習用アプリ。

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APPで模試を受けられます。

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実機飛行は車で5分ほどの距離の空き地で。

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かなり年季の入ったPhantom3。

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まずは飛行操作のスキルを磨くため、カメラを外して飛行時間を長くして練習。

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練習風景。ホバリング、四角系、八の字飛行からいきなりスタート(キャリブレーションとかはやらない…)。近くにはレース用ドローンをFPVで練習している人も来ていたのですが、かなりの腕前でした…。

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練習後はオフィスで出前を取って食事。プロポにスマホを挟み、Youkuで人気ドラマ「人民の名義」を見る。「テレビ」も「現金」も登場せずに日々が進みます。

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これは別の日の試験飛行の風景。

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学生が飛行訓練をする隣では、講師と仲間が8ローターのオクタコプターに、DJIの異なるフライトコントローラーを乗せて飛行実験をしていました。確かに飛行性能が異なる…。そしてその場には某ドローンメーカーのエンジニアも来て、一緒にわいわい議論。開発環境との距離の圧倒的な近さを再認識…。これはメモのNo.9で触れたレーザーカットのワークショップでも感じたことですが、これはものづくりをしている場所ならでは…。

深圳在外研究メモ No.12 深圳で生活していて得られた情報編~青色ダイオード中村修二先生ラボ開設、DJI本社ビル建設、習近平広東指示の学習会~

深圳で生活を初めて3週間。ここで生活していると、これまで全く知らなかったニュースに触れることが少なくありません。今回はその中からいくつかを紹介したいと思います。

1.青色ダイオードの中村修二先生が深圳にラボを開設

現地ではIPテレビで、過去1週間のニュース番組をいつでも見られます。深圳衛星テレビのニュースを見るようにしているのですが、ある日、深圳市にノーベル賞受賞者が開設する研究室が4つできた、というニュースが流れました。そしてそこでちらっと言及されたのが、「中村修二博士もすでに研究室を開設」というニュースです。調べてみると、2016年12月に現地ニュースが流れていました。当時の深圳市許勤市長も出席して開所式を開いていたとのことで、この記事によると、中村先生は「深圳はレーザー・照明技術の研究と産業化で優良な環境と唯一無二の条件を持っている」と評価しています。どの程度、深圳のラボにコミットするのかは不明ですが、別のノーベル賞受賞者のラボの場合、「1年間に1か月は滞在して研究する」という発言もありました。

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2.DJI本社ビル建設

深圳ドローン界隈の人と話していて、「DJIの従業員数8000人超えたらしいね」と言ったら、「そうなんだ、そういえばDJIがようやく本社ビル建ててるだよね」と教えてくれました。曰く、深圳市南山区の西麗のあたり。後で調べてみるとTencentの科技系ニュースサイトに2月2日の時点で記事「DJIが7億元で土地購入、本社ビルの建設とのうわさ」が掲載されていました。簡単に言えば、120億円の土地使用権の競売に、DJIのみが参加して取得した、ということです。確かにDJIはこれまでビルのいくつかのフロアを借りている状況で、自社ビルはいつ建てるのかなと思っていたのですが、いよいよ深圳市南山に本拠を定めるようです。

以下全訳です。

 深圳商報によると、深圳市南山区の留仙洞本部基地(興科路と仙茶路の交差点)の工業用地T501-0078が正式に売り出された。情報筋によると、入札申請をしたのは一名のみで、7.1億元の譲渡開始価格でDJIが取得した。

深圳市の土地不動産取引センターの土地譲渡公告によると、当該の土地面積は8927.67平方メートル、建築面積80350平方メートルで、土地使用権は30年である。

注目に値するのは、当該地の入居が許されたのは、ドローン産業で、なおかつ5年以上のドローン業界での運営実績を持ち、深圳市に登記し、独立した法人格を持つ企業、という点である。

当該地にはDJIのみが入札に深圳市、DJIが7.1億元で取得した。ある業界関係者は、Tencent 科技に対して、DJIはこの土地を独自の本社ビルを建設するのに利用すると明かした。現在DJIは南山区のSkyworth半導体設計ビルを借りてオフィスとしている。

業界関係者によると、DJIは近年の納税額が多いため、深圳市は補助し、いわゆる「競売」はあくまでも対外的な言い方に過ぎず、これは明らかだという。

一部の外国メディアによると、DJIの2014年の営業収入は5区ドル、2015年は8-10億ドルである。同じく深圳でスター上場企業である迅雷は、2015年の営業収入は2億ドル足らず。これが意味することはDJIがTencentをのぞけば深圳でも最も営業収入の多い科技系企業であり、深圳市がサポートするのはおかしな話ではない。
この件について、DJIは公式の反応を見せていない。

Huaweiなどは「科技系企業」ではないのか、と思うのですが…。

場所は留仙洞の本部基地で、調べてみると、これはニコ技深圳観察会で訪問したエリックパンのXfactoryのエリアのようです。前回近くに行った時の写真はこんな感じでした。

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写真は万科の開発園区ですが、地図で確認するとこのエリア全体が「留仙洞本部基地」となっており、この一角にDJIが入居するようです。

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関連土地情報サイト

留仙洞開発に関するニュースサイト

留仙洞開発に関する政府サイト

3.広東指示の学習会

ここ数日、「習近平総書記が広東に重要な指示を出したので学習しましょう」というニュースが現地メディアでは頻繁にされています。深圳大学でも学習会は開催されたようです。

主な内容は「4つの堅持、3つの支え、2つの前列」とまとめられています。曰く、4つの堅持とは「党の領導を堅持する、中国の特色ある社会主義を堅持する、新発展理念を堅持する、改革開放を堅持する」。3つの支えとは「全国のサプライサイド構造改革、イノベーション駆動型発展戦略、開放型経済体制の支えとなる」。2つの前列とは「全面的な小康社会の建設と社会主義現代化の新たな行程の前列を走る」ということそうです。

希望广东坚持党的领导、坚持中国特色社会主义、坚持新发展理念、坚持改革开放,为全国推进供给侧结构性改革、实施创新驱动发展战略、构建开放型经济新体制提供支撑,努力在全面建成小康社会、加快建设社会主义现代化新征程上走在前列。总书记的重要批示也被概括为“四个坚持、三个支撑、两个走在前列”

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時の流れが早いハイテク都市だけあって、特にテクノロジー系の情報は、われわれが知らないものが少なくありません。また、同時に他の市や地域と同じく、政治学習会も少なくともメディア上では強調されている事実から、ハイテク企業と中国政治経済という一つのコントラストを感じます。

 

深圳在外研究メモ No.11 深圳市ソフトウェア産業基地(深圳湾)が意識高い編~Tencent新社屋、Stargeek, NAVER, そして総理コーヒー。だいたいいつ行っても何かやってる面白さ

南山区の位置する深圳大学。北はTencentの本社ビルに接し、南は深圳市ソフトウェア産業基地に接しています。このエリアには、Tencentの新社屋(移転するのではなく、拡張するらしい…)、Baiduビル、Mangoビルなどの大きなオフィスがあり、さらに関連投資機関やアクセラレーターが設置されています。ソフトウェア産業基地は、昨年10月の深圳イノベーションウィークの会場となった場所でもあり、深圳におけるソフトウェア系企業の集積地となりつつあるようです。現時点での印象としては、「中国国内市場を念頭に置いたビジネスを展開しているソフトウェア、そしてハードウェアのベンチャーのインキュベーションをしている」ように見えました(もちろんTencent, Baiduは除く)。

このあたりが面白いのは、歩いていると「メイカーカフェ」のようなお店が立ち並んでいることで、これらの店の内部にはピッチスペースがあります。何度か現地に足を運んでいるのですが、平日でもだいたい何かしらのイベントを開催しています多くのイベントは中国語で開催されており、このエリアには外国人は少ない印象です。3W Coffeeというお店では、今日はTencentのイベントが、となりのJDミルクティカフェでは韓国のNAVERのプレゼン、さらに近くのTCLスペースでは恵州の政府系機関がきて、プロジェクトの報告会を開催していました。

この一角に、Stargeekというスマートハードウェアのアクセラレーターがあるのですが、ここがなかなか面白い場所でした。4~5人ほどのチームが30ほど入居し、このほかにより規模の大きい会社も入居しているとのことでしたが、ほぼ全プロジェクトが中国国内のもので、過去の分を含めて外国系のプロジェクトは2つのみということでした。華強北のHAXのパターン、すなわち海外のチームが来て、深圳でプロトタイピングをするものの、市場は米国を筆頭とする国外というパターンとは大きく異なり、Stargeekは「中国人による、中国市場を向いたハードウェアスタートアップ」を育てていました。

Stargeekのもう一つの特徴は、スペース内にCNCを置くだけでなく、4~5名の専属エンジニア(元工場出身)が所属し、構造設計、電子設計、機械加工、外注加工まで含めたサービスを提供し、プロトタイプ製作から量産のための準備までを行うことができる点です。彼らはこれを「供应链服务(サプライチェーンサービス)」と呼んでいたのですが、私らが利用しているSegMakerよりも、さらに踏み込んだサービスを現場で提供していました。PCBボードの製作やマウントも、そうした専用の協力企業がいるので、1~2日のスピードで試作ができるそうです。

さらにJDカフェに行くと、オープンスペースでなんだか少人数でのプレゼン会がスタート。なんだろうと思っていると韓国語で、話を聞いてみると、「深圳に興味を持っている韓国の投資家や企業家を連れてきて、ツアーをしている」とのこと。プレゼンターは韓国最大手の検索エンジン、NAVERの研究部門だと思われるNAVER LABの深圳支社長。面白いと思ったので、韓国語のプレゼンを一通り聞いてみました。正直わからない部分もあったのですが、Shanzhaiとか、Prototypeとか、AIとかでてきました。そして最も時間を割いていたのは、AMICAというAIの話。今度お話を伺いに行ってみようと思いますが、少なくともNAVERの研究拠点が深圳の南山にある、という事実に若干驚きました。もしかしたらAIの研究もやっているのかもしれません。

NAVER LABのプレゼンで結構強調していたAIのプロジェクト。Siriとかコルタナみたいな感じだろうか。

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Tencentの「濱海」新社屋。いったい何人入るんだろうか…。

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深圳市ソフトウェア産業基地の模型。この周りにTencent, Baidu, 中国航天, Mango, 創投ビルが並ぶ。

 

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地図。

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ざっと数えて15のメイカースペースというか、創業促進系の機関が入居しています。

 

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「深圳湾創業広場」、そのまま直球の名前です。

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建設中のビル。手前にはバスケットボールのコートが。試合をすることもあるのでしょうか。

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Stargeek入り口。

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Stargeekの内部。一階には4~5人レベルのチームが入居しており、机一つがひと月800元ということだった。ただし、入居プロジェクトは、基本的にはAI、スマートハードウェア関連で、実際中では家庭用ロボット、ドローン、IoT家電が目についた。

 

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CNCがバリバリに動いていた。試作のサンプルも見せてもらいましたが、プロトタイプ用の金属の加工もここでしていました。金型の設計もここで委託できるらしい。

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360度カメラのプロトタイプ。3Dプリンターかと思ったら、切削で作ったとのこと。まさに今流行の製品を作りつつある様子でした。

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ラボ。卓上3Dプリンター2台、レーザーカッター1台、あとはもろもろの工具が並ぶ。

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家庭用ロボット、億家智宝。

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小型ドローン。パロットのビーバップに似ているのは気のせいでしょうか。

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網膜スキャンでロックする金庫。

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NAVER LABの方のプレゼン。Why Shenzhen for Naver Labs China Office?というタイトル。まさに聞いてみたタイトルだったのですが、韓国語だったのであまり理解できませんでした。

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結構ベーシックなことから解説して、最後はAIの話をしていたようでした。

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3Wカフェで飲んだ、「総理コーヒー」。李首相が飲んだのでしょうか…。

華強北も面白いのですが、ここ1~2年で急激に開発が進んでいる深圳湾エリアもなかなか面白い動きがあります。現時点での印象では、「中国国内市場を念頭に置いたビジネスを展開しているソフトウェア、そしてハードウェアのベンチャーのインキュベーションをしている」というのが仮説ですが、学校のすぐ隣ですので、時間を見つけてインタビューをしていこうと思います。