2019年5月26-28日,中国貴州省貴陽市で開催された第5回中国国際ビッグデータエキスポ(中国国际大数据博览会)に参加しました。
主に会議と展示会で構成されており、参加した感想は以下の通りです。
開幕式は政治局員と工業情報化部部長、そして国外からはポール・ローマー(2018年ノーベル経済学賞)らが登壇。ポール・ローマ―がサイバー主権に賛同したことには驚いた。会議の各パネルは貴州省の幹部がまず登場する形態で、首相レベルやBATのトップなどは今年は来ておらず、全体として省レベルのイベントになった感はあった。アップルは本社ではなく中国事業の代表が登壇、教育分野での貢献や中国のソフトウェア開発者の海外展開の支援実績に言及。データ権利に関するセッションでは中国の大学に新設されてきたデジタル関係の研究院やプロジェクトの成果が出始めた印象。
展示会特徴は展示は半導体からITソリューションまで。第一層はAlibaba、アントフィナンシャル、Tencent, Huawei、新浪等ITプラットフォーム企業の展示。いままでの都市ビッグデータに加えて、工業IoT、健康ビッグデータ等のソリューションに広がってきた。紫光集団、そしてHuaweiも半導体開発を展示。KirinとBalong等。
第二層は中国移動、中国電信の2大キャリアの展示。5G技術のソリューション例の展示に特化しており、ショベルカーの遠隔操作の実演などをしていた。
第三層はiFLYTECH, 快手, 小紅書, UBTECH等の新興テック企業の展示。SNSの快手, 小紅書の展示は若者の来場者に非常に人気、そのほかの新興企業も新製品を展示。
第四層はその他。多数のローカル企業、正直把握しきれないほどの数だが、一つのテーマは都市ビッグデータ系ソリューションで、特に中国の展示会でよく見るようになったコントロールセンターの展示が目立った。もう一つのテーマは貧困削減系のプロジェクト。農村地域でのIT利活用の展示。貴州ローカルのソフトウェア企業にも話を聞いたが、基本は貴州のローカル企業のシステム効率化需要を狙っていた。
第五層が外国企業。米国、英国、フランス、韓国、ロシアなどから国ブースが出展。日本からはNTT DATAが単独出展。時間が足りず見学しきれなかった。
以下写真:
エキスポ会場
開幕式
経済学者ポール・ローマーが登壇
貧困削減パネル
デジタルエコノミーパネル
データセキュリティパネル
去年開通した地下鉄。
展示ブース
大手プラットフォーム企業
大手キャリアは5G
テック系企業の展示
データコントロールセンターの展示
貧困削減もひとつのテーマ
三日目人民大学法学部未来法治研究院が企画したデータの権利確定、オープン化、共有、エンパワーメントに関するセッション。
エキスポ公式HP:https://www.bigdata-expo.cn/
現地メディア記事:
日本メディア記事:
「習氏肝煎りの博覧会 米大手の経営トップ参加見送り:日本経済新聞」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45312630X20C19A5FFE000/
会議概要:https://sbhhk.sharedbook.cn/books/fhuv/mobile/index.html?from=singlemessage&isappinstalled=0
2018年3月訪問時のメモ: