東京大学2018年秋セメスター「全学自由研究セミナー  現代中国ゼミナール」

2018年秋学期に実施するゼミナールの概要です。東京大学1-2年生向けの授業で、すでにシラバスに記載されています。現代中国を幅広く議論するセミナーになっているので、多くの学生の履修を期待しています。

 

講義タイトル

「現代中国ゼミナール~「習近平時代」の中国を議論する~」

 

授業情報

時間割コード:51383

曜日時限:金曜日4限

教室:シラバス参照

対象学生:1年 文科/理科, 2年 文科/理科

 

概要

2018年の秋、駒場で開講される「全学自由研究ゼミナール」にて、学部1~2年生を対象とする講義ゼミナールを企画しました。
東京大学は全学に現代中国を研究する多様な研究者を擁しています。2013年秋には、現代中国研究拠点(http://web.iss.u-tokyo.ac.jp/kyoten/)が中心となって、「グレーター東大塾 中所得国時代の中国」と題して、社会人向けに包括的な講義を開きました。その成果は書籍『東大塾 社会人のための現代中国講義』(https://www.amazon.co.jp/dp/4130330713)としても出版され、一定の反響がありました。
2013年秋のグレーター東大塾からちょうど5年経過し、「グレーター東大塾」を更新するべきタイミングを迎えています。政治面では当初、未知数であった習近平体制は慣例となってきた国家主席2期10年の任期撤廃を経て、盤石の体制となっているように見えます。経済面では成長率のマクロな低下、そして急激な少子高齢化が問題視されてきましたが、同時に中国経済の規模は拡大し、中国から外国への投資や、新興企業によるイノベーションも注目を集めています。社会面では、5年前までインターネット上での言論の一定程度の自由が、中国国内での闊達な議論をもたらしていましたが、現在ではこうした議論も縮小するか、大きく形を変えているように思われます。国際関係、外交関係、そして安全保障の面では、2013年から中国政府が提案する「一帯一路」構想が、ユーラシア大陸を超える範囲を大胆に対象とし、構想への評価は分かれつつも、その影響力は増しています。
今年の受講生には2000年生まれの学生も含まれているでしょう。皆さんにとっては、むしろ「強い中国」、「豊かな中国」が当たり前なのかもしれません。しかしこのようなイメージが現れたのはごく最近のことです。より歴史的な視野と、現代的問題設定の融合が求められているともいえるでしょう。いま改めて、東京大学の現代中国の研究者が集まり、それぞれの知見を改めて再構成し、時に再検討し、時に拡張して、学生に伝え、議論する意義があると考えます。

 

スケジュール

第一回 9/28
授業の狙い 伊藤亜聖(社会科学研究所)

第二回 10/5
政治外交1:中国の見る世界秩序と地域秩序  川島真(総合文化研究科)

第三回 10/12
政治外交2:「一帯一路」時代における中国少数民族社会の変容と苦境 平野聡(法学部)

第四回 10/19
政治外交3:「雨傘世代」にとっての香港と中国世界 谷垣真理子(総合文化研究科)

第五回 10/26
政治外交4:習近平政権の特徴ー内政を中心に 高原明生(法学部)

第六回 11/2
経済1:中華帝国と一帯一路 城山智子(経済学部)

第七回 11/9
安全保障:何を何からどうやって守るのか? 松田康博(東洋文化研究所)

第八回 11/30
経済2:中国の台頭と世界経済の変容 丸川知雄(社会科学研究所)

第九回 12/7
経済3:デジタルチャイナ  伊藤亜聖(社会科学研究所)

第十回 12/14
法と社会1:2018年3月11日憲法改正 高見澤磨(東洋文化研究所)

第十一回 12/21
法と社会2:中国社会の細胞ー『県域社会』の可能性 田原史起(総合文化研究科)

第十二回 12/25(代替日のため、火曜日開催)
法と社会3:中国の国際的影響力の拡大ー人権問題を通して考える 阿古智子(総合文化研究科)

第十三回  1/11
総括とレポート提出 伊藤亜聖(社会科学研究所)

 

授業形式

講義とゼミナールの中間的形態、とします。「講義60-70分 グループ議論15分 全体討議20-30分」を大まかな構成とします。詳細は第一回授業にて説明します。