職場の研究所の大先輩で、タイ経済の専門家である末廣先生の講演会を、タイ・バンコクのバンコク倶楽部にて聞きました(2018年8月21日)。
講演ではまずタイが新たな開発構想であるタイランド4.0、東部経済回廊(EEC) の系譜を東部臨海開発まで遡って解説しました。タクシン政権の経済ブレーンの役割、さらにより「タイらしさ」を強調した政策への揺れ戻し、そしてEECの登場、という歴史的文脈の中で目下の中国との協力、というストーリーでした。
なかでも印象的だったのはかつての東部臨海開発にも否定的な意見があったという指摘です。リャムチャバン港をはじめとして、当時は「こんなのできるわけない、農村開発を優先すべき」という議論があったものの、結果的にプラザ合意をきっかけに日系企業の進出によって東部臨海が加速したそうです。相当野心的に見えるタイランド4.0も、日欧米に加えて、中国企業のサポートを得て、想像以上に進む可能性があるのかもしれないそうです。
蛇足メモ。バンコクの夕方の交通渋滞が深刻です。ジャカルタなみの状況ではないでしょうか。