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深圳在外研究メモ No.37 深圳大学で深圳経済についてプレゼンしてみた編~ゲリラ産業と城中村は深圳にもう不要なのか?

10月25日に深圳大学の学部生、大学院生、若手研究者向けのセミナーで報告をしました。報告タイトルは”Shenzhen as Innovative City: Hardware ecosystem and beyond manufacturing”で、資料はここにアップロードしておきます。基本は、私がSEGMAKERにて報告している内容ですが、現地の学生向けの資料なので、若干アレンジはしてあります。40人くらいの学生が来てくれたのですが、深圳大学一年生との交流もできたのは貴重でした。

質疑応答ででた質問を列挙しておきます。全部で10の質問がありました。

1)深圳は確かに中国国内でも活力ある都市だが、第二の深圳というのは生まれる可能性はあるのか?あり得るとすればどこか?雄安新区は可能性あるか?

2)いま大学二年生で、深圳南山生まれの南山育ちだ。でも大学院は海外にでて勉強したり経験したりすることも考えている?どうすればいいか?

3)香港はサービス産業化が進んでいるが、深圳もサービス産業化が今後進むと考えればいいか?

4)コスト増に従って、サプライチェーンの競争力は落ちてきている。山寨(ゲリラ産業)のような世界はやがて無くなると考えればよいか?

5)深圳はこれまでの高度成長を今後も続けられるだろうか?HUAWEI、TENCENTのような企業はまずは中国国内市場で成長した。他の企業のなかには輸出で規模化した企業もある。特に需要面で今後の更なる成長をもたらしうる、新領域はあるだろうか?それに他の都市も成長を続けている。深圳の独自なポジションは維持可能だろうか?

6)いま大学一年生だが、ゲームを沢山やっている。Tencentは世界一のゲーム企業になれるだろうか?

7)空間経済学を研究しているが、珠江デルタと長江デルタの産業集積の最大の違いはなんだろうか?

8)大湾区(Big Bay Area)計画について、東京湾岸開発からどのような示唆を得られるだろうか?

9)80-90年代にはMade in Japanが世界を席巻したが、いまはMade in Chinaが地位を挙げており、Made in Japanは地位を下げているようにも思う。どう思うか?

10)人民銀行の周行長は中国経済の「系統的リスク(システミックリスク)」について先日言及した。このようなリスクについてどう思うか?

一応すべて答えたのですが、報告の本論との関係が深い質問についていうと、博士課程の方が質問してくれた第四は重要だと思います。質問してくれた方の指導教授とも議論したことがあるのですが、これまで「山寨(ゲリラ産業)」と「城中村(Urban Village)」は深圳のサプライチェーンと活力の基盤でありました。しかし城中村の再開発が進み、経済成長のみならず特許制度への保護が強まるにしたがっていわゆるゲリラ産業の生存空間は狭まっているようにも思います。ゲリラ産業と城中村は新しい深圳にもう不要なのか、この点についてはまだまだ議論が必要な気がしています。

あとはだいたい以下のように答えています。第一の雄安新区については、基本は政府部門と中央国有企業のための場所だと思うので、民間企業が活躍する場所になるとは現時点では思えない、と答えました。方向性がちがう、と。第二の学生には国外へ一度出ることをお薦めしましたが、あなたは深圳南山に戻ってくるような気がする、と答えました。第七の珠江デルタと長江デルタの違いについては、その場でうまく回答できなかったのですが、思えば、費孝通さんの1980年代の議論のような、産業集積の歴史的な成り立ち(経路依存性)ゆえに生じるビジネスモデルの違いを指摘すればよかったなと反省しています。

11月はMaker Faire Shenzhenもありますし、日本に限らず多くのビジターの方に深圳で会えそうです。

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小さな会議室でしたが、おかげさまで満員でした。

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中国語で60分の講義と30分の議論はなかなか骨が折れましたが、もっと慣れなければなりません。

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サプライチェーンのスライド。大学院生やポスドクも含めて、具体的な工場やアクセラレーター、コワーキングスペースへの訪問経験を持つ方は少なかったようでした。距離的な近さが深圳のベンチャーコミュニティの理解に直結しないことをこの日も強く感じました。

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レクチャー後に集合写真。

 

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学内ポスター資料。

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