過去6年ほど、年に一回程度の頻度でタイに行く機会があり、今年は深圳から香港に渡り、香港空港からバンコクスワナブーム空港へ行きました。普段、東京からバンコクに行った際には感じなかったことを多く感じたので、メモを残しておきます。
1.香港ーバンコクの圧倒的近さ
香港からバンコクまでは飛行機でわずか2時間半で到着。東京からの6時間と比べると、至極当たり前の話ではあるものの、距離的近さを再認識しました。
2.中国スマホメーカーの宣伝攻勢の激しさ
バンコク市内では、HUAWEI、Oppo、Vivoの広告を交通機関の要所要所で目にしました。空港、スクンビット駅等、最も人が集まるところには中国企業の広告がありました。市場シェアが高まることを予感させる広告攻勢を体感しました。
空港到着ロビーのHuawei P10の広告
地下鉄構内でのOppoの広告。
ホームもこの状態
別の駅では今度はVivo
電気街でもOppoが宣伝攻勢をかけていました
3.「ガソリンの匂いがする」
バンコクの街に降り立って第一に感じたことの一つは、バイクの多さとガソリンの匂いでした。毎年バンコクには来ていましたが、深圳から来たという経験がこの差を強く意識させました。深圳市内ではオートバイは禁止されており、日常で見かけることはありません。また深圳でも渋滞は当然発生しているものの、地下鉄も発達していることもあり、日常生活でのストレスはあまりありませんが、バンコクには電車/地下鉄がBTSスクンビット線、BTSシーロム線、MRT線の3本に限られており、引き続き交通面でのインフラの弱さを感じました。
オートバイが皆無の深圳から降り立つとさらにインパクトがありました
夜のセントラルワールド前。
もう一つは、電信柱と送電線の存在です。深圳でも白石洲のようなダウンタウン地区(いわゆる城中村)に行けば当然あるのですが、大通りではすでに地下への移設が完了しており、日常生活では電信柱を意識することは少ない状況です。
タイではタクシン政権の崩壊以降、大規模な開発計画がとん挫しており、プラユット政権は「タイランド4.0」という標語で新開発構想を打ち出しています。しかし、正直なところ、私は首都バンコクの街中をみてインフラ面の疲弊を若干感じてしまったのも事実です。来年と予想されている選挙以降、新たな政権の誕生を契機として都市インフラの再構築が求められているのではないでしょうか。
EEC(Eastern Economic Corridor)の事務所を訪問した際に、建物の外に掲げられていたポスター。1.0の農業経済から2.0の軽工業化、そして3.0の重工業化をへて、4.0はロボティクスやAIを含む5つの新産業の振興を目指しています。
4.そしてバンコクには日系スタートアップコミュニティがある
最後に驚いたのはバンコクで企業や事業開拓をしている日本人の若者がおり、ある種のコミュニティを作り始めているということでした。東南アジア地域でウェブサービスや広告事業を展開する日本人が、層として存在するのに対して、中国では国内業者間の競争が激しく、日本人の若者が食い込んでいるという話は聞くことが少ないわけです。こうしたコミュニティの存在は、ある意味で東南アジアと中国のビジネス環境の差異を反映しているのかもしれません。
越さんにお声がけいただいて参加した飲み会。これでも会の終盤で、人数が少なかった回とのこと。上海でもこのくらいのことはできるでしょうか…。深圳では現状ではこの感じの飲み会は、ニコ技深圳観察会の開催時やイベント開催時に限られています。
飲み会で知り合った、Donuts現地法人の荒金さんにご案内頂いたバンコク支社。70名の従業員のうちで日本人は荒金さんのみで、ゲームのローカライズからスタートし、現在ではタイの女性向けサイトSistacafeや不動産サイトEstopolisの運営が好調とのことでした。日本のウェブ会社が中国で成功しているという事例はあまり聞かないので、自分には新鮮でした。
オフィスの4階では運営するサイトでの広告写真の撮影が行われており、色合いの調整をしているところ見学できました。
「深圳在外研究メモ No.28 番外編~バンコク出張で感じたこと」への1件のフィードバック
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