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深圳在外研究メモ No.20 Makeblockの創業者Jasen Wangの視野と初の主催イベントを見た編~深圳の真ん中で子供たちはMakeblockを遊びつくす

中国のメイカーズムーブメント(≒スタートアップムーブメント)の中から登場し、ハードウェアアクセラレータHAXの第一期卒業生という意味でも「新しい深圳」を代表する会社の一つMakeblock。NHK BSの番組では深圳市政府系の投資ファンドから約1億元を調達する過程が放送されていました。STEM教育向けのロボットを開発製造し、キックスターターでは当初苦労したそうですが、現在では主力製品mBotに加えて様々な派生製品やさらにドローンまでをリリースしています。

1)HAXトークイベントでのJasenの発言要旨

Makeblockの創業者、Jasen Wang(王建軍)の話は4月18日にアクセラレータHAXのワークショップにて聞くことができたのですが、その中身は刺激的でした。

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2017年4月18日、深圳華強北のHAXでのワークショップの様子。左端がJasen Wang、右端がBenjamin。

  1. 2013年に創業し、2017年4月現在従業員数は400名に達した。そのうち50名は自社工場にいる。全従業員が深圳におり、ほぼ全員が中国人である。
  2. 創業の前、ともかくお金がなかったのでアクセラレータHAXに応募した。お金がほしかった。私は一人でHAXに応募した唯一の事例ではないか。
  3. 2014年にRadioshack(要確認)から300万元の注文を得たが、当時の従業員数は20名で、この規模のオーダーに応える体制はできていなかった。資金も尽きてかけていたが従業員には全く言えなかった。高利貸しから100万元を借りて、2か月後に110万元を返して乗り切った。その後は資金調達もできて、資金に困ったことはない。現在ではサプライヤーにはパーツが納入されてから45~90日後に代金を支払っているため、キャッシュフローの問題もない。(コメント:ここでの300万元の受注が、Makeblockにとって最初の成功、「第一桶金」だったのだと思われます、この点、今度また確認します)
  4. 深圳にはこの手のスタートアップとして参考になる会社はなかった。だれもキックスターターには挑戦していなかったし、DJIもHUAWEIも参考にはならなかったので、定期的に自分自身の決定を振り返りながら進めていった。
  5. 2015年はCOOを探していたが、結局選定した人が自分の考えと違い、二人で一つのハンドルを取り合っているような状況になったため、彼には辞めてもらった。
  6. 創業しようと決めたその日から、まずはMaker向け製品、次にSTEM教育用、そして最後に一般コンシューマー向け製品を展開すると決めていた。Makerは製品に多少問題があっても自ら直してしまうが、一般消費者はそうはいかないため、各段階でよりユーザーへの細かな配慮が必要である。

Jasenは「僕は社交的なやつじゃないんだよ」と言いながらも、自信に溢れて今後の展開も描いて見せていました。エンジニアでありながらも、何よりも野心を持つ企業家であることを強く感じました。

2)STEAMカーニバルでみた活気

2017年5月13-14日、深圳市福田のショッピングモールCOCO PARKにて「第一回 深圳市STEAM科技クリエイティビティカーニバル」なるイベントがありました。Makeblockが出展するということで行ってみたところ、むしろMakeblockの一社単独でのイベント開催でした。二日間でどのくらいの参加者が来ていたのか不明でしたが、会場は大きくないものの、子供連れで大変にぎわっていました(公式の回顧サイトはこちら)。

会場で感じたのは、「とにかく子供に触ってもらおう」としていることでした。アトラクションを5つ体験すると、くじ引きができるようになっており、子供たちは様々なMakeblock製品を触るという仕掛けです。運よくJasenにも話が聞けたのですが、子供に触ってもらうこと、そして「STEM教育とは何か」を親に知ってもらうことを主眼に置いているとのことでした。STEMを理解してもらえば、子供たちが最初に触ったこの製品を選ぶだろう、というブランディング戦略だと説明してくれました。またMake Xという初めてのロボットバトルも、開催されており、大変活気に溢れていました。

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ショッピングモールCOCO PARK中庭をMake Blockが占拠。モール内にはイオン、ユニクロ、ラコステ、テスラモーターなどが入居しています。

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会場となりは平安の新ビルが建設中。COCO PARKはまさに深圳のヘソという場所の一つです。

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日曜日(14日)午後の様子。ダンサー、DJ、コスプレイヤーも登場して、会場を盛り上げていました。

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メインアトラクションである、MAKE X。キットからロボットを制作して、相手陣内のピンを倒す対戦ゲームで、トーナメント方式。Jasen曰く、操作しているのは高校生だが、今回はMakeblockのエンジニアが基本的に個別のロボットを制作したとのことでした。

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mBotサッカー。

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ドローンにもなるAirblockをホバークラフトにして、動かすアトラクション。操作が結構難しいので、子供たちは真剣な目になっています。

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キャタピラーを動かして一周するアトラクション。

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針金がついたmBotをタブレットで操作して、風船を割るアトラクション。

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タブレットのボタンを押すと、コメントを付けたバーが横から登場。中国で流行中の実況アプリをまねたアトラクション(ふあじゃおについてはブログNo.18を参照)

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MITメディアラボのプログラムツールScratchを疑似体験できるゾーン。(PETSのアイデアをフィジカルに再現したような感じでした)

 

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運よくJasenとまた会えました。このパネルはWeChatのモーメンツと呼ばれる近況を投稿する画面を模してあります。そこのコメントがユーモラス。达康书记は現地で一大ブームを巻き起こしているTVドラマ「人民の名義」の登場人物で、彼が「いいね」を連発し、隣のおじさんが「あいつの家はSTEM教育をしているんだよ、先月うちの息子にmBot買ってくれたよ」と言い、Microsoftが「Makeblockとはうちも協力してるよ~」などと言っています。

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もう一つ印象的だったのは、イベントが終わると撤収が始まるのですが、Makeblockで働いている人はみんな手がよく動くというか、手際よくものの10分足らず(5分くらい…?)でロボットバトルのステージをバラして片づけてしまうのはなかなか壮観でした。


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