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深圳在外研究メモ No.22 深圳でKickstarterのキャンペーン戦略を学ぶ編~「クラウドファンディングとはCommunity-driven fundingである、それ相応の準備が不可欠」

今週は深圳のメイカーコミュニティではKickstarterのデザインディレクターであるJulio Terraが来ていたこともあり、 クラウドファンディングに関わるセッションが開催されていました。その内容を簡単に紹介します。

1.Crowdfunding Masterclass@HAX

まずは水曜日にHAXで開催されたセッション。最初のセッションではMakeblockのJasenが経験をシェア、そして第二セッションではKickstarterのプロジェクトのサポートに特化したPR会社によるトークセッション、そして最後にHAXの現役やOBによるトークでした。

第一セッションでの話は、前回のHAXでのセッションに近く、第二セッションの話は広告の見地から、どのように重点的な顧客層に情報を発信するかという話が中心でした。この中でショッキングだった情報は、Jellop のGil Shterzerが割とあっさりと紹介した「Kickstarterのウェブサイトを見ている人の80%が男性である」という事実でした。ですから女性向けのプロジェクトが成功することが難しいそうです。

セッションとして一番面白かったのは時間的には短かったのですが、最後のセッションでした。それぞれのプロジェクトの責任者が、Kickstarterでローンチして以降の日ごとのBack金額のグラフを見ながら、「この時にあのメディアに載って、それでちょっと増えたんだよね」とか話していました。一つの典型的なパターンとして、MindsetというヘッドフォンプロジェクトのJacobが示したのが、U字型のグラフでした。キャンペーンが始まった直後に比較的関心が集まった後、停滞する時期が続き、後半にメディアへの掲載が入ることで終盤にBack額が上がるというパターンです。

VUEというスマートグラスウェアのプロジェクトの場合、一貫して低迷気味だったのですが、終盤にForbes、そしてTech Crunchに記事が掲載され、一気に金額が伸びたそうです。この日のトークのなかで、有力メディアに如何に掲載されるか、その一歩手前で、ジャーナリストに如何にプロジェクトの魅力を伝えるのか、といった点がたびたび出てきたのですが、こうしたグラフを見るとその意味がよく分かります。

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満員御礼のHAX。少し見ないうちに、座席も倍に拡張されていました。

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Jasen(Makeblock)とJulio(Kickstarter)のトークセッション。期せずして全く同じ格好。

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Kickstarter専門のPR会社へのインタビュー。

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一番盛り上がったセッション。現役HAX入居プロジェクトメンバーによるシェア。左からVUE(Tiantian)、Trainerbot、Roadie、そしてMindset(Jacob)。Jacobが過去最年少という話を聞いたけど、本当だろうか。

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MindsetのデイリーBack金額の推移。後半に一気に伸びているのはメディアに取り上げられたから(Kicktraqから検索可能)。

2.Julio Terra from Kickstarter@Xfactory

翌日の夜、柴火創客の新たなMakerspaceであるXfactoryにてJulioによるトークが開催されました。

こちらはしっかりとしたプレゼン形式だったので、とりあえずプレゼンを聞きながらメモした内容をシェアしておきます。

 自分はもともとデザインコミュニティ出身でKickstarterで現在デザインと技術の担当をしている。

Kickstarterに最初に接したのは2010年にGlifというiPhone用の三脚をバックしたことだった。その後、100万ドルを調達するようなプロジェクトが登場し、かなりの金額をクラウドファンディグで調達できることがわかってきた。そしてKickstarter に入ることになった。

もしもKickstarterで自分が何かしようと思うのであれば、まずどれかプロジェクトをバックするべきだと思う。一つだけでなく、複数のものをサポートすべきだ。フロアのなかに、Kickstarterでプロジェクトを実際にやっている人はいるかな?今日はオーディエンスに4~5人くらいはプロジェクトしているひとがいるみたいだ。

1) 求められる戦略

Kickstarterでのクラウドファンディングは、戦略がないと成功しにくい。運で成功することはあるが、それは戦略とは言えない。今日のプレゼンの目標は、皆さんに道具をあげることだが、しかしこれをやればいいというレシピを提供することではない。

Kickstarterで成功するためには、5つのレベルを満たす必要がある。

  • まず初めに人が欲しいと思っているものをつくる
  • 人を動かす(あるいは衝動買いさせる、Compelling)プロジェクトにする
  • コミュニティを作る。
  • Buzzとメディアで注目を集める
  • さらに有料メディアを使い、売り上げをあげる。

このうち、この中でも真ん中の3つを話す。なかでも一番大切なことは、クラウドファンディングとはCommunity-driven fundingだということだ。

2)準備時間

まずはどのくらいの時間をかけてキャンペーンを準備するべきだろうか。最低でも2か月半は必要だろう。成功するプロジェクトは普通、6か月くらいはかけている。ハードウェアプロジェクトの場合、最低限、リリースの前にBOM(Bill of Material)の作成が済んでいることが必要である。部品の単価がわかって、初めて最終製品の価格を決められるからだ。

その次に、10-12週はかけてキャンペーン用のHPをつくる必要がある。英語でなければならないし、ビデオを作らなければならない。そして8-10週かけてメディアへの準備が必要である。ジャーナリストへのプレゼン資料を作成し、説得する準備が必要だ。一度ニュースや雑誌記事でBuzzると、1万通レベルのメールがくるので、それに対応できるようにしなければならない。

そして6-8週かけて、いいビデオをつくる。概略を作って、台本をつくり、実施にロケーションをみつけ、役者を決めて、撮影し、編集して、音楽つける。これはなかなか時間がかかることだし、実際Kickstarterで成功するにはとても重要なプロセスだ。

次にコミュニティを作ること。最重要だ。これは非常に時間がかかるプロセスで、準備期間からキャンペーン中まで、ずっと必要な活動だ。Email Listはコミュニティではない。コミュニティの質が重要であり、人数の問題ではない。プロジェクトへの関心が高い人がいるコミュニティ、それこそが「質が高いコミュニティ」だ

設計や生産の面では、DFM(Design for Manufacturing)で設計を行うのに数か月の時間がかかる。そしてそれを1年かそれ以上かけて生産し、出荷することになる。

このように、プロジェクトの段階によって、タスクが変わっていくが、コミュニティづくりはずっと続く。このようなプロジェクトを一人で遂行するのは非常にむずかしいから、チームでやる必要がある。10万ドル以上のプロジェクトの場合、おそらく個人では難しいだろう。

3)時期ごとにやるべきこと

次に、キャンペーンのローンチまでの期間ごとにやるべきことを整理すると次の通りになる。

3-6か月前。そもそも、皆さんのビジネス全体にとって、キックスターターはとても小さい部分を占めるに過ぎないはずだ。会社全体の方向性を考えることがまず必要だ。Kickstarterで調達できる金額が多いほうがいいと思っている人がいるが、そうではない。たしかにスケールがあるほうが生産には規模の経済性が働くが、金額を調達すればそれだけのリスクを負うことになる。Backしている人は、「人間」であって、「ただの数」ではない。当然プロジェクトについて質問してきたりする。1万人のBackerがいれば、それだけの連絡が来ることになる。コミュニティと各段階での進捗をShareしていく必要がある。

ローンチの2か月前。実際に中身をつくっていく段階だ。キャンペーンのアウトラインを作り、メディアへの対応を準備する。ハードウェアの場合にはプロトタイプを作り、BOMを作っていく段階だ。

1か月前。コストを計算し、ビデオをつくり、最終的な目標金額(Funding Goal)を決めて、広報もスタートする時期だ。この時期に、製品の発送時期を決めることになるが、「これなら2か月で発送できる」と思ったら4か月後に設定したほうがいい。2倍くらい時間がかかると思ったほうが良い。

1週間前。プロジェクトの中身についてKickstarterの会社側のReviewにだす。そしてローンチ後のコミュニティへのアップデートの準備を始めなければならない。ダブルチェックで誰かにコスト(COGS)を精査してもらうことを勧める。とくに「全世界に発送」というのは現実的ではない。現実的になろう。Shipping Costを考える必要がある。

スタート。コミュニティ、そしてメディアにリリースを連絡しよう(Get the word out widely)。始まったらプロジェクトメンバーは様々な人に話し続ける必要がある。そしてコミュニティにはアップデートを送りつづけるべきだ。

4)個別のタスクについて

アウトラインはストーリーだ。ストーリーテリングなプロジェクトを作る必要がある。クラウドファンディングとは、「まだできてもいないもの、できるかわからないもの、そして出来たとしても6か月後に発送されるものに100ドルとか払わせようとする試み」。正直言って、ふざけた話だ。つまり熱狂させないと成功しない。

キャンペーンのなかで、それぞれのメディアの役割は異なる。

ビデオ:Why should I care

キャンペーンページ:Tell me more(Spec, size, science, tech)

アップデート:Explore details

ビデオは何を作っているか、からはじめよう(プロジェクトのOriginはいらない)。全体で2~3分をおススメする。最初の2分間は製品を触っている反応だけのやつとかよかった。

 クラウドファンディングでBackしてくれる人は、製品だけをかっているわけではない、クリエイターが好きで、その創造のプロセスとか、Passionを持つ人のためにお金を出している人だ。だから、コミュニティを協力者だと思って進めるべき。そしてコミュニティとの関係を築くうえでは、Transparencyが大事。懐疑的に思われると質問してきて、場合によっては敵対的になってくる場合もある。

キャンペーンを始めるにあたり、Prototype demosは必要だろう。プロトライプのデモを見せられないときにもUser experienceは大事。だからビデオですくなくとも説得できるように、一部の機能でもいいから、何ができるようになるのかを見せていくことが不可欠。私が一番すきなビデオはMakey Makayでまったくお金はかかっていないがよかった。デザインのプロセスは、外の人から見たら結構面白いからそれを見せていく。

正直、正確な寸法の写真Renderingは必要ではない。Lifestyle photoがむしろ必要。生活の中でどのように使えるかがわかるものがいい。そして人とプロセスを見せていくことが有効だ。月の模型のプロジェクトはすごくいいビデオで、彼らが作っているところ見せていく(MOON)。名前だけでなくで、クリエイターの写真も見せていくことが有効だ。

広報(Outreach。コミュニティとの関係を、取引的(Transactional)には思わないほうがいい。Kickstarterはまだあなたの旅の一部でしかない。ジャーナリストとの関係もそうで、この後も色々関係が生まれてくる。RelationはGive and takeだ。徐々に関係を作っていくことが大事だ。

Build don’t Launch。ハードウェアスタートアップとは、アップルとかマイクロソフトとは全く違うサイズ。最後まで情報を隠しておいて、最後にリリースして大きくBuzzらせよう、とか思っても、それはむりだ。情報をどんどん出して作っていくことが大事。Build upだ。

Be ready to capture interest. 幸運にもテッククランチとかメジャーなメディアに記事が載ると、数日で4万通のメールがきたりする。それに対応できないと、それらのチャンスを逃すことになる。そのための準備をしておかなければならない。

これで分かったと思うが、Kickstarterのローンチの初日のために、クリエイターはすごい努力している。

キャンペーン終了後、アップデートし続けることが大事だ。メールで「僕らのプロジェクトをシェアして!シェアして!」ではむりがある。読者、Backerをインスパイアしていかなければならない。Kickstarter Liveで経験をシェアしていく、等の方法がある。

以上のように、かなり実践的な「レクチャー」という印象でした。

要約すると、本当に送られて来るかどうかわからないものに100ドル払わせようとするなら、それ相応の準備が必要で、なかでもコミュニティ(要するにファン)を作っていかなければ成功しない、となりそうです。

そしてQAも30分ほどはあったのでかなりみっちり議論が展開されたのですが、そのなかでも中国ならではだったのは、「Kickstarterに載っている製品が、ずっと安くTaobaoで売られているじゃないか」という質問でした。このテーマは結構まえの「山寨死」に関するエントリーでも取り上げたテーマでもあります。Julioの回答は、次のようなものでした。

コピーキャットへの簡単な対応策はない。Kickstarterの写真をそのままコピーして、そのまま売り始めたりする。対応策としては、ブランドをつくり、コミュニティをつくっていくことが大事だ。過去4年、Kickstarterを見ていると、実際に模倣されるケースもある。技術的にコピーが難しいものや、ソフトウェアで差別化されたものを作る必要がある。本物と偽のものの間には差がある。

この質問をした方は工場の人だったようで、質問の意図はむしろ「Kickstarterよりもこの辺の工場の方が安くていいものが作れるんじゃないか」という質問だったようにも思います。ですからJulioの回答が果たして彼を満足させたのかはわかりません…。

いずれにせよ、HAXでのセッションも満員でしたし、これだけの観衆が集まったわけで、この地域にKickstarterを巡るコミュニティがはっきりと形成されているのがよくわかりました。しかし同時に、Kickstarterは中国大陸には支社を設けておらず、中国大陸の住所ではキャンペーンをできないこともQ&Aでは話題に上りました。中国大陸のプロジェクトは、こうした不便さをものともせず、ローンチされていることになります。今度は、中国大陸から実際にプロジェクトを遂行している人たちにもこのあたりの話を聞いてみようと思います。

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Xfactoryにおけるセッションの風景。実況アプリ・映客でも実況されていました。

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キースライドの一つ。プロジェクトの段階ごとに、おおよそどのようなタスクがあるかを図示。

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キャンペーンページのおもな役割を解説。

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ストーリーを作ることを強調。

深圳在外研究メモ No.21 深圳のなんとなく大事なエリアの風景写真をまとめる編~徐々に成長の極は西側へ

ある方に頼まれたこともあり、ひとまずこの50日ほどで深圳で撮影した写真を整理しました。合計8,128のファイル(写真と動画)があるので、大事そうなエリアを並べます。基本は建物の写真ですが、それぞれのエリアに入居している企業や人についてはそれぞれリンクを張るので、そちらをご参照ください。(一部地域区分に誤りがあるかもしれませんが、ひとまずの印象でまとめます)

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日本語で有用な地図として上記の高須さんたちが作成した地図が有用です(ニコ技深圳観察会まとめ(過去のブログポータル)に掲載されています)。

深圳の面積は2,050km²で、東京都の2,188 km²よりも若干小さい程度です。東側の羅湖にアヘン戦争後に広州と香港を結ぶ列車の国境が設定されたこともあり、羅湖が長らく深圳の中心でしたが、特に1978年改革開放以来、このエリアが発展してきました。その後、2000年代に西側の福田、さらに2010年代に南山区の再開発が急ピッチで進んでいます(埋め立てを含む)。羅湖、福田、南山エリアにはほぼ工場は見かけなくなっています。現在ではさらに西の宝安に新空港ができ、さらに大きな展示会会場の建設も進んでいます。西の宝安、北側の龍華・西麗エリア、東側の龍崗エリアにはまだ工場が残っていますが、移転を検討している企業が多いのが現状です。

 

1)羅湖エリア~かつて「深圳」はここを意味したが、今はむしろ一番古く感じる場所

香港から入る一番の入り口のエリア。かつては「深圳に行くとは羅湖に行くことを意味した」そうです(ブログNo.17参照)。ここを見て、「なんだ深圳、中国なんてぼろっちいな」と思う人が多いと思いますが、正直ここが一番古くなっています。新しい深圳はここではありません。

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香港との境。

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羅湖口岸エリア。古からの言い伝えによると、香港から入国し、写真奥のシャングリラホテルに入居するまでの道でスリにあう、という逸話がありました。それくらい1990年代までは危険ゾーンだったと聞いたことがあります。いまは全然安全です。

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ライチ公園横、鄧小平ポスター。「党(共産党)の基本路線は100年動揺しない」。

2)華強北~「ハードウェアのシリコンバレー」のイメージをつかむのに最適

地球上で最大の電子街・華強北。電子部品がともかく大量に販売されている。適当に歩いていると外国人バイヤーも沢山おり、話しかけるとバングラデッシュ人で、無線ルーターを買い付けていたりします。

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華強北(空撮しました)

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ニコ技深圳観察会として私が入居しているメイカースペース、Segmaker。メモのNo.4参照

SEGビル2階の電子部品売り場。

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休日の早朝の深南大道。

3)福田中心部

行政とショッピングの中心部。深圳市政府、展示会会場(会展中心)、証券取引所、ショッピングモール等々。

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会展中心(展覧会会場)。ここでは頻繁に電機電子系の展示会が開催されており、その様子は高須さんのダイヤモンドの記事「深センの電機ショー、最先端からパクリまでのカオスな面白さ」参照

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会展中心1号館。

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会展中心の前方。

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平安ビル(建設中)。カッコよすぎるビル。

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ショッピングモールCOCO PARK。ここで開催されていたMakeblockのSTEAM教育フェスタはブログNo.20を参照。

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市民中心近く。

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深圳博物館。中での展示はブログNo.10を参照。

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中国フィンランドデザインパーク。

4)南山区~新興ハイテク企業の集積地はこのエリア

南山区も大きいですが、一言で言うとテンセントビルがある辺りいがアツイ、と思います。

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手前が深圳大学の北端の建物(文科楼)、左手奥がTencent本社ビル。右側にこれまた巨大なびるを建設中。その並びにはHTC VIVEビルなどもあります。

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深圳大学中心部から、南側を空撮。奥に見えるのがソフトウェア産業基地(空撮しました)。

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深圳大学学内の池から東側。四方にビルが見えます。

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ソフトウェア産業基地エリア。ブログNo.11を参照。

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ソフトウェア産業基地エリアのテンセント新社屋。まだ未稼働ですが、いったい何人はいるのか、という巨大さです。

 

テンセント新社屋(右)と左手奥は蛇口。

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ソフトウェア産業基地エリアの百度(Baidu)ビル(左)。

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追加。ソフトウェア産業基地エリアの全景(空撮しました)

20170425_164654274.jpg歓楽海岸、DJIの旗艦店(空撮しました)。

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歓楽海岸のDJIフラッグシップショップ(夜景)。

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蛇口エリア。港があります。

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前海エリア。

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蛇口、デザインウィークの会場。デザインウィークはブログNo.15を参照。

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白石洲の城中村(Urban Village)。出稼ぎの人が多く住んできた地域。ブログNo.17で紹介したMaryさんのように、こうしたエリアがなくなることを危惧する人もいます。

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海上世界エリア、元SANYOの工場はオフィスにリノベーションされています。

5)華僑城(OCT)~元KONKA工場がおしゃれデザイナーエリアに再開発

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6)西麗方面~北側の新興開発エリア

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Makeblock本社周辺。MakeblockについてはブログNo.20参照。

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柴火創客の新たなメイカースペース、Xfactory周辺。

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Xfactoryへの入り口。XfactoryについてはブログNo.6を参照。

7)郊外~いわゆる元の「特区外」エリア

深圳の西部エリア、宝安地区も開発ラッシュです。

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宝安中心駅横で建設中のプロジェクト。

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宝安中心駅から少し歩いたところ。開発待ちの空き地で、ドローンスクールではこのあたりで飛ばしています。ドローンスクールについてはNo.14を参照。

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深圳の東部、現在の地下鉄の東端、双龍駅。

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双龍駅のさらに先にBYDがあります。見学しましたので、機会を見つけて紹介したいと思います。

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大運(Universiade)駅周辺。

(ひとまずここまで。時折加筆します)

深圳在外研究メモ No.20 Makeblockの創業者Jasen Wangの視野と初の主催イベントを見た編~深圳の真ん中で子供たちはMakeblockを遊びつくす

中国のメイカーズムーブメント(≒スタートアップムーブメント)の中から登場し、ハードウェアアクセラレータHAXの第一期卒業生という意味でも「新しい深圳」を代表する会社の一つMakeblock。NHK BSの番組では深圳市政府系の投資ファンドから約1億元を調達する過程が放送されていました。STEM教育向けのロボットを開発製造し、キックスターターでは当初苦労したそうですが、現在では主力製品mBotに加えて様々な派生製品やさらにドローンまでをリリースしています。

1)HAXトークイベントでのJasenの発言要旨

Makeblockの創業者、Jasen Wang(王建軍)の話は4月18日にアクセラレータHAXのワークショップにて聞くことができたのですが、その中身は刺激的でした。

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2017年4月18日、深圳華強北のHAXでのワークショップの様子。左端がJasen Wang、右端がBenjamin。

  1. 2013年に創業し、2017年4月現在従業員数は400名に達した。そのうち50名は自社工場にいる。全従業員が深圳におり、ほぼ全員が中国人である。
  2. 創業の前、ともかくお金がなかったのでアクセラレータHAXに応募した。お金がほしかった。私は一人でHAXに応募した唯一の事例ではないか。
  3. 2014年にRadioshack(要確認)から300万元の注文を得たが、当時の従業員数は20名で、この規模のオーダーに応える体制はできていなかった。資金も尽きてかけていたが従業員には全く言えなかった。高利貸しから100万元を借りて、2か月後に110万元を返して乗り切った。その後は資金調達もできて、資金に困ったことはない。現在ではサプライヤーにはパーツが納入されてから45~90日後に代金を支払っているため、キャッシュフローの問題もない。(コメント:ここでの300万元の受注が、Makeblockにとって最初の成功、「第一桶金」だったのだと思われます、この点、今度また確認します)
  4. 深圳にはこの手のスタートアップとして参考になる会社はなかった。だれもキックスターターには挑戦していなかったし、DJIもHUAWEIも参考にはならなかったので、定期的に自分自身の決定を振り返りながら進めていった。
  5. 2015年はCOOを探していたが、結局選定した人が自分の考えと違い、二人で一つのハンドルを取り合っているような状況になったため、彼には辞めてもらった。
  6. 創業しようと決めたその日から、まずはMaker向け製品、次にSTEM教育用、そして最後に一般コンシューマー向け製品を展開すると決めていた。Makerは製品に多少問題があっても自ら直してしまうが、一般消費者はそうはいかないため、各段階でよりユーザーへの細かな配慮が必要である。

Jasenは「僕は社交的なやつじゃないんだよ」と言いながらも、自信に溢れて今後の展開も描いて見せていました。エンジニアでありながらも、何よりも野心を持つ企業家であることを強く感じました。

2)STEAMカーニバルでみた活気

2017年5月13-14日、深圳市福田のショッピングモールCOCO PARKにて「第一回 深圳市STEAM科技クリエイティビティカーニバル」なるイベントがありました。Makeblockが出展するということで行ってみたところ、むしろMakeblockの一社単独でのイベント開催でした。二日間でどのくらいの参加者が来ていたのか不明でしたが、会場は大きくないものの、子供連れで大変にぎわっていました(公式の回顧サイトはこちら)。

会場で感じたのは、「とにかく子供に触ってもらおう」としていることでした。アトラクションを5つ体験すると、くじ引きができるようになっており、子供たちは様々なMakeblock製品を触るという仕掛けです。運よくJasenにも話が聞けたのですが、子供に触ってもらうこと、そして「STEM教育とは何か」を親に知ってもらうことを主眼に置いているとのことでした。STEMを理解してもらえば、子供たちが最初に触ったこの製品を選ぶだろう、というブランディング戦略だと説明してくれました。またMake Xという初めてのロボットバトルも、開催されており、大変活気に溢れていました。

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ショッピングモールCOCO PARK中庭をMake Blockが占拠。モール内にはイオン、ユニクロ、ラコステ、テスラモーターなどが入居しています。

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会場となりは平安の新ビルが建設中。COCO PARKはまさに深圳のヘソという場所の一つです。

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日曜日(14日)午後の様子。ダンサー、DJ、コスプレイヤーも登場して、会場を盛り上げていました。

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メインアトラクションである、MAKE X。キットからロボットを制作して、相手陣内のピンを倒す対戦ゲームで、トーナメント方式。Jasen曰く、操作しているのは高校生だが、今回はMakeblockのエンジニアが基本的に個別のロボットを制作したとのことでした。

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mBotサッカー。

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ドローンにもなるAirblockをホバークラフトにして、動かすアトラクション。操作が結構難しいので、子供たちは真剣な目になっています。

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キャタピラーを動かして一周するアトラクション。

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針金がついたmBotをタブレットで操作して、風船を割るアトラクション。

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タブレットのボタンを押すと、コメントを付けたバーが横から登場。中国で流行中の実況アプリをまねたアトラクション(ふあじゃおについてはブログNo.18を参照)

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MITメディアラボのプログラムツールScratchを疑似体験できるゾーン。(PETSのアイデアをフィジカルに再現したような感じでした)

 

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運よくJasenとまた会えました。このパネルはWeChatのモーメンツと呼ばれる近況を投稿する画面を模してあります。そこのコメントがユーモラス。达康书记は現地で一大ブームを巻き起こしているTVドラマ「人民の名義」の登場人物で、彼が「いいね」を連発し、隣のおじさんが「あいつの家はSTEM教育をしているんだよ、先月うちの息子にmBot買ってくれたよ」と言い、Microsoftが「Makeblockとはうちも協力してるよ~」などと言っています。

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もう一つ印象的だったのは、イベントが終わると撤収が始まるのですが、Makeblockで働いている人はみんな手がよく動くというか、手際よくものの10分足らず(5分くらい…?)でロボットバトルのステージをバラして片づけてしまうのはなかなか壮観でした。

深圳在外研究メモ No.19 海外政府系テックプロジェクトと深圳のつながり編~深圳の、そして中国の新しい経済、新しいエコシステムと自国をつなげようとしているプロジェクトが続々

このブログシリーズで取り上げているように、深圳市が中国のなかでも注目されるテックベンチャーや実験の都市になっています。このことを反映して、国外から深圳への注目度も高くなっており、WIREDの動画Shenzhen: The Silicon Valley of Hardware、The Economistの記事 SPECIAL REPORT “Jewel in the crown: Welcome to Silicon Delta Shenzhen is a hothouse of innovationを筆頭に挙げることができます。

さらにこちらで色々と歩いていると、「国外政府系の出先機関」だけど、いわゆる深圳の下請け工場時代には絶対なかったようなプロジェクトが動いていることに気が付きます。先に結論を書いておくと、総じて、深圳の新しい経済、新しいエコシステムと各国をピンポイントでつなげるという共通性を見出すことができます。自分で見たり、直接当事者からお話を伺えている事例のみ書きます。

1)Sino-Finnish Design Park

深圳市は2013年6月にフィンランドのヘルシンキと姉妹都市協定を結んでいます。これをきっかけに1年5か月後の2014年11月にSino-Finnish Design Parkが開業。深圳市が力を入れるデザイン力を高めるためにこのデザインパークが開設され、国内外のデザインハウスや関連スマートハードウェア企業を誘致し、現在41社が入居が進んでいます。 福田にあるSIDA(Shenzhen Industrial Design Profession Association、深圳市工業設計行業協会)の大きな開発区内にあり、おそらくこの一帯は少し前まで工場または倉庫だったと思われるエリアです。

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55度に中身を保つ保温瓶。展示室には色々なプロダクトが並んでいます。

 

2)KOTRA深圳オフィス

日本で言うとJETROにあたるKOTRAはどうも中国国内の拠点の数が多いようで、深圳にも会展中心のすぐ近くにKOTRA深圳事務所が設立されています。この事務所は2014年12月に開設されており、その事業内容は興味深いです。一つは展示会の開催業務で、これはまあ普通なのですが、もう一つは韓国のAR/VR、ロボティクス、医療、ビッグデータ、画像認識系のスタートアップを深圳に連れてきて、こちらの投資家とのマッチングをやっています。シリコンバレー、イスラエル、シンガポールに続く第四のベンチャーのハブとして深圳を位置づけてサポートを行っているそうです。

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KOTRAの入るビル。

3)La French Tech Shenzhen

ラスベガスのCESでもフランスのベンチャー企業の数が米国、中国に次ぐ数だったことが注目を集めていました(日経記事「ブラブラカーだけじゃない 仏スタートアップが熱い」等参照。)。この背景の一つに言われているのが、フランス政府が推進するフレンチテック(La French Tech)というネットワーキングとアクセラレーション政策です。上記の日経の記事では、スタートアップを外に出して「火をつけ」、メンターとファンドをつけて「アクセラレート」する点が紹介されています。HAXのBenjaminもLa French Techを高く評価していて、観察会で訪問した際にも、失業保険をもらいながらスタートアップをできるし、みんなそれが当たり前だと思っている環境も含めて大事だ、という話をしていました(この点、Benjaminさんのプレゼン資料にも表れています:How to create 1,000 SONY)。

La French Tech深圳プログラムは2016年10月に正式スタートしており、Cecileさんにお話を伺ったのですが、活動内容としては①“Discover the Local Ecosystem”ツアーの開催(次はこれ)、②“École Centrale Graduates“プログラムと呼ばれる元留学生をフレンチテック関連企業を訪問するツアー、③毎月の深圳のバーでのカジュアルなミートアップ、④その他HAXなどでのミートアップやピッチイベントの開催とのことでした。

Ambassadorsと呼ばれるメンターには、HAXのBenjamin、Parrotのアジアパシフィックの代表TCHEN Elise氏、TCLのCHAMBON François氏 、ST MicroelectronicsのLECONTE Damien 氏が名を連ねています。日常的にはWeChatのLa French Tech Shenzhenのグループに100名ほどのメンバーがいるとのことで、ここで様々な情報が交換されているそうです。

Le French TechはHong Kongにすでに拠点があるらしく、そことの協力もしながらイベントの開催を行っているそうですが、香港ではコンサルタント事業が多い一方で、深圳はハードウェア系が強いため、プロジェクトとしては必ずしも一体感があるとは言えないそうです。La French Techの国外での仕組みは、話を聞いても正直まだよくわからなかった(というかかなり自由にやっていそうな感じだった)のでまた今後Cecileさんに教えてもらおうと思います。

Cecileさんご自身はワインを輸入し、それにQRコードやアプリケーションによるワインの特徴や体験を付加するようなアグリテックビジネスを展開しているそうです。

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観察会の時にもHAXのBenjaminは日本で起業する人を増やすうえで、La French Techが参考になると言及していました。

 

4)British Council “Hello Shenzhen” program

英国の文化事業であるブリティッシュカウンシルのプログラムでも、深圳のメイカーズムーブメントのコアメンバーを英国1か月呼び、英国のメイカースペースを訪問するツアーを開催しています。Hello Shenzhenプログラムと名付けられており、深圳側のファンド(深圳市国際交流合作基金, The Shenzhen Foundation for International Exchange and Cooperation)もついて費用がねん出されたそうです。深圳観察会で、柴火創客のVioletさんがこの体験をシェアしてくれたのですが、おおよそ下記の内容でした。

①4週間で3都市(London, Edinburgh, Cambridge)を訪問し、20社のベンチャースタートアップに面会、11のメイカースペースまたは組織を訪問

②深圳のメイカーが技術を重視したスタートアップとしての性格が強いのに対して、英国のメイカーたちはSocial Impactを重視している(例:METTLEという会社は視覚障碍者向けのイヤホンを開発)

 

深圳観察会にてイギリス訪問のプログラムを紹介してくれた柴火創客のVioletさん。

また、2017年5月13日、文化産業博覧会の分科会として、SIDA事務所にて”Hello Shenzhen”プログラム(第二回)の経験シェア会が開催されました。「創客西遊2.0」、つまり「メイカー西遊記2.0」というキーワードが的確で、基本的にはどの参加者もVioletさんと類似した英国と深圳のメイカーズカルチャーの差異を感じていたようでした。ツアー参加者10名のうち、4名はハードウェアメーカーや工業デザインハウスの青年創業者でした。

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深圳観察会にてイギリス訪問のプログラムを紹介してくれた柴火創客のVioletさん。

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“Hello Shenzhen”プログラム(第二回)の経験シェア会の様子。

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柴火創客のVioletさん。深圳+ロンドン+アムステルダム+成都、というフレームで新しいメイカーズの交流プロジェクトを準備中とのこと。パワフルな人達をつなげると、こうした新しいプロジェクトにつながっていく。

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オープンソースハードウェア・ラズパイで作ったロボットを、マインクラフト側でコントロールしてみよう、というプロジェクト。

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車いすを誰でもオーダーメイドのように調整できるようにしようというプロジェクト。英国側のメイカーが強調する”Social Impact”に影響され、こうした新しいプロジェクトに中国側の工業デザイナーが参画。

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「メイカー西遊記2.0」のメンバー。

 

5)そして日本はどうなのか?

ご覧の通り、かなりピンポイントで深圳のニューエコノミーを狙い撃ちにしたようなマッチングプログラムが動いていることがわかります。私も深圳に住みはじめて1か月なので、まだわからない部分もありますが、少なくとも上記のように政府が予算をつけている形で、日本と深圳(または中国)の新しいエコシステムやニューエコノミーをつなげようとしているプロジェクトは聞いたことがありません。このような不作為が深圳だけで起きているのであればまだいいのですが、もし仮にほかの世界のイノベーションの拠点でも生じつつあるとしたら、それは日本にとってはもったいないことだろうと感じます。民間でやればよい、という考えもあり得ますが、上記のような各国のプロジェクトが2014年からの2~3年で急激に動きつつあり、まだどれがベストプラクティスかはわかりません。それぞれの国ごとに状況は異なるので、答えはそもそもないのかもしれません。ただ、新たな越境したスタートアップやメイカーたちのコミュニティが生まれつつあるのを見ることができます。

日本の場合、とくに支援もなく自腹だけで運営されているニコ技深圳観察会がこうしたネットワーキングを担っているのは、正直例外的でもあり、逆にすごい気もします…。また、METIのフロンティアメイカーズ、JETROやJST(科学技術振興機構)は広い意味ではすでにこうした取り組みをやっているともいえますし、すでに日本からも視察にはたくさん来ているようです。

深圳在外研究メモ No.18 アニメイベントで実況中継アプリ花椒の威力を知る編~学生グループが楽しく実況。平均課金額は200円でも、最高課金者は1.4億花椒豆(約2億3千万円)課金

深圳市内の遊園地「歓楽谷(Happy Valley, Huanlegu)」で「次元の壁を打破しよう」といううたい文句のアニメイベントが開催されていたので少し見てきました。

イベントの内容としては、参加者公募式で、アニメやゲームに関連する歌や劇を一般人が披露し、最後に表彰する形式です。細かくはわかりませんが、予選がずっと開催され、最終日に20組ほどが残っていました。日本語のアニメソングを歌う人が半分くらいで、日本のコンテンツの強さを感じたわけですが、現地で見学していて一番面白かったのは、スマホアプリで中継をしているグループがいくつかあったことです。

 

1.実況中継のグループに声をかけたら深圳大学の学生だった

写真はエントリーの下に並べてありますが、アニメイベントの一角で、5人組で脚立にスマホを乗せて、何やら実況しているグループが。メインの実況者は軽くコスプレをしている綺麗な女の子で、その周りで4人がサポートしています。さっそく声をかけてみると、実況は「花椒直播」アプリを使い、主に実況しているのは深圳大学2年生の66(りゅーりゅー)さんで、それ以外の人はみな社会人だけど、アニメやコスプレが好きで、66さんの活動をたまにサポートしているメンバーとのことでした。実況中継開始時にはほとんど見ている人はいなかったのですが、後半はリアルタイムで7500人を超えるユーザーが彼女のこの実況を見ていました。逆にインタビューされて、私も花椒に若干ですがデビューしました。

 

2.花椒(ふあじゃお、Huajiao)の概要

花椒(ふあじゃお、Huajiao)についてはすでにいくつかの記事で紹介されています。例えば「中国、スマホの中の「女神」たち 私生活さらし月収200万円」などで、主に女性の実況者が実収入を得ているという点が報道されています。「【中国EC】1年足らずで急成長「生放送アプリ」のパワーがすごい!」では類似サービスと広告料まで掲載されています。中国の企業系列でいうと、アンチウイルスソフト大手の奇虎360系列です。

もう少し利用の手続きとビジネスモデルを確認しておくと、

1)アプリをダウンロードしたら、誰でも視聴はできる。ブラウザからの視聴もできる。おそらく一見してその雰囲気は伝わると思います。

2)中国の携帯電話番号と紐づけることでコメントの書き込みができる

3)WeChat PayやAlipayとリンクすることで、アプリ内通貨「花椒豆(Huajiaodou)」を購入でき、これを気に入った実況中継者にリアルタイムで贈れる。もらった側は電子通貨や銀行口座に換算して振替可能(換金時の換算率は普通配信者で75%、優秀配信者で80%との報道あり。要確認)。要するにデジタル投げ銭ができる。

4)アプリ内通貨に当たる豆は、60豆6元から課金可能。購入量を増やしても割引は一切なし。10豆1元=16円なので、1豆1.6円から「実況乙です!」とデジタル投げ銭ができる。

5)中国の身分証で実名登録すると実況ができる。なお、Alipayの機能である、芝麻信用(Zhima Xinyong)とリンクさせることで、手続きはワンクリックで終了する。ちなみに実況画像をリアルタイムで「可愛く」修正することもできる。中国の身分証を持たない外国人は「信頼できる友人の身分証番号をいれる(この場合この友人のアカウントに入金される)」か別途カスタマーサービスに問い合わせてくれ、とのこと。

6)花椒運営側の収入は①デジタル投げ銭の換金差額(1元課金したら0.2元は確実に運営側のものになる)、②アプリとしてデイリーで500~1000万人が利用するので広告料収入が大きい、そして③花椒豆として預けられている多額の資金の運用、この三つが主要な収入だと思われる。

第三の投げ銭ができることが決定的で、これによりプロ、セミプロの実況中継者が続出し、ユーザーも増加しているようです。2015年6月にリリースされ、2016年6月にアクティブユーザー1000万ユーザーを超えたそうです。

 

3.課金額

現地記事「花椒直播发布首份年度大数据报告 详解直播行业发展现状」によると…

1)2016年の実況中継者が得た贈り物の回数は50億回、この中には無償のものも含まれているので、換金できる「花椒豆」の総収入は1.28億元(1元16円換算で20.48億円)。

2)課金している人の内訳は自営業27.8%、会社職員18.9%、産業・サービス業従業者14%、会社管理・経営者11.7%、大学教授6.3%(本当なのか…)。大学教授の課金額は5000万元に達したそう。

3)大学生が実況するのは一番多いらしく、毎日10万本の実況が行われている。学生で最高の収入を得たのは、190万元(3040万円)。

2016年の総課金額20.48億円を、ユーザー数年央のアクティブユーザー数1000万人で割ると、204.8円になりますので、割とあり得る金額になっています。ただ、高額課金者はけた違いです。アプリ内で「今日の最高課金者」とか「累計最高課金者」を見ることができます。それによると、2017年5月7日夜12時時点では、1位は1.44億花椒豆を人に贈っており、1440万元、つまり2億3040万円を課金しています。クラッシュオブクランなどの世界的なスマホゲームではこのくらいの課金があり得るのでしょうか…。

4.ひとまずの感想

ちょっとした感想をメモしておくと、66さんはあまり投げ銭には関心を持っていない感じで、趣味で好きなことを実況している層のようでした。一方で、アプリ内には美女が踊って歌ってしゃべって、露骨に課金あおるような雰囲気もあります。シェアサイクルやシェアバッテリーを紹介した回とも共通することですが、「スマホと電子マネー」が結合することで、誰もがその場で課金できるようになったことで、このような実況中継アプリの興隆が起きているのでしょう。この他に中国や東南アジアで感じることですが、自撮り文化が強く、こうした配信が広まりやすい土壌もあるように思います。

 

※補足

なお、このような番組を通して、「過度なお色気」番組を配信したり、「国家転覆」などを意図した場合には即配信停止かつ実名登録なので場合によっては逮捕されるようです。利用規約を参照。

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イベント会場の一角で実況中継するグループ。中央が66(りゅーりゅー)さん。右のサポート役は機材を運んだり、する機材担当で、左側はサポートで会話に参加したり、コメント欄を盛り上げる役だった。あともう一人の男性はカメラマンで、女性も時々66さんと会話しながら盛り上げていく感じ。

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画面ではこのような感じ。右上に表示されている7,343人がリアルタイムで見ている。画面下のチャットには、入室、発言、贈り物がタイムラインで流れていく。例えば、画面中央左側には「中継おつです×11」と表示されていて、11豆が66さんに贈られている。ちなみに66さんの花椒号(ふあじゃおアカウント)は115464146です。なお、中堅の実況者で視聴者数万人はざらのよう。

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サポートメンバーも手伝いつつ実況。機材はスマホ、脚立、ワイヤレスマイクのみ。データ通信料だけが気になる。

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2時間にわたる実況の終盤。66さんは「午後は授業だからそろそろ中継終わるね~」と去って行った…。ポーズといい、装備といい、溢れる「RPGのパーティー感」。

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タグには「歌唱」、「アウトドア」、「踊り」、「楽器」、「星座」など色々あるなかで「キャンパス」を見ると確かに全国の大学がヒットする。特に芸術系の学校が目立つが、もしこちらに留学中の方がいたら、学内で誰が中継しているか探してみたらいいかも。タグのなかには「顔値」なるものまである。

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他の実況者の画面。5.8万人が視聴しており、総累計で330万豆(=33万元、528万円)を受け取っている実況者。画面下に課金アイテムやイベントアイテムを選択でき、「実況お疲れ様」が1豆(0.1元、1.6円)、右側のよくわからないアイテムは19,999豆なので、1,999元、つまり31,984円の課金アイテムをワンクリックで実況者に贈ることになる。

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地味にゲームや将棋、麻雀を実況する人たちも。

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課金ランキング。上位は1億豆、つまり1000万元(1.6億円)くらいの課金。北京、上海、広州、深圳のいい場所にマンション一部屋か場合によっては二部屋買えるくらい課金をしている。

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同時点で二位だった(直前まで1位でした)の「星爷」さんは1.2億豆を送っていますが、フォローしているのは一人の実況中継者のみ。ハードコアなファンであることを感じさせる。ユーチューバーの場合には何よりもアクセス数を増やすことが重要ですが、花椒ではコアなファンを深掘りする戦略が有効。

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受け取り側ランキング。豆の数に1.6をかけた円をもらっているので、最上位は数千万~億豆クラス、1億円くらいを稼いでいる。日本人ユーチューバーでいうとHIKAKINさんやマックスむらいさんクラスか。

 

追記

東洋経済に記事「色気で稼ぐ「生中継アイドル」を量産する現場 上海のアイドルマネジメント会社を直撃」が面白いです。実際、わたくしが取り上げている上のグループも、後日わかったことですが、メディア会社の支援がありました。

http://toyokeizai.net/articles/-/171337