深圳のロボットスタートアップ、Dobotを訪問しました。2014年5人でプロジェクトをスタートさせ、キックスターターに家庭用・教育用ロボットアームMagicianをかけて、1208人から61.5万ドルを集めて成功。翌2015年に企業化。2016年末から二台目の工業用ロボットアームM1をキックスターターにかけており、2017年2月25日現在で50万ドルを集めています(期限は5月)。
創業者は蘇州の中国科学院分院の卒業生で、ロボットの知識を活かして創業したとのこと。オフィスに行ったのですが、マーケティング部門と研究開発部門合わせて60名程度で、それぞれ半分。製造は外部に委託しており、開発部隊はまさにM1を試作中で、マーケティング部門は現時点で製品化されているMagicianの販路拡大を目指しているようです。国内外の高校や大学でのSTEM教育需要に目を付けて、シンガポールやスリランカの教育省とはすでにコンタクトがあると言っていました。日本ではTechShare社が取り扱っているとのこと。
オフィス(マーケティング部門の様子)

Magicianのプロモ動画はこちら。スペックとしては、500gのペイロードと0.2mmの稼働精度。特徴的なのは、3Dプリンタ、レーザー刻印、ピッキング、描画に対応していることで、使い方は人それぞれに考えられます。価格は約1000ドルとのことでした。
現在キックスターターにかかっているM1のプロモはこちら。こちらは精度を0.02㎜と正確になっており、またペイロードも1.5キログラムに上昇。より専門的な工場内の自動化需要への対応を目指しているということでした。価格は2999ドル。
右側がDobotの技術者とマーケティング担当者だったのですが、とても若く、おそらく全員20代だったのでは。写真はないのですが、とくに開発部隊の部屋はかなり熱気のある雰囲気で、回路設計、プログラミング、ロボティクスといった専門のエンジニアが総勢30名程度いました。
先進技術研究院という中国科学院と深圳市政府、そして香港中文大学が協力して設立した公立の研究所にも行ったのですが、そこで言われたのは、深圳が、電子産業の基盤を活かして、ロボティクス産業への発展を考えている、ということでした。確かに現地では「ロボティクス」をタイトルとする専門業界雑誌の創刊が目立っており、ここから何が生まれるのか、気になるところです。